[調査・レポート]
コンテナの主用途はDBMSとWebサーバー、開発言語はNode.jsが最多─Datadog調査
2023年12月21日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
Datadog Japanは2023年12月21日、システム監視クラウドサービス「Datadog」の監視データからユーザーのコンテナ利用状況を分析した年次調査の結果を「コンテナ利用に関する10のインサイト」としてまとめ、その概要を発表した。コンテナの主要なワークロードはデータベースとWebサーバー、コンテナで、最も使われる開発言語はNode.jsとなった。また、コンテナランタイム(実行環境)の主流は、Dockerからcontainerdに移りつつある。
米Datadog(日本法人:Datadog Japan)は、システム監視クラウドサービス「Datadog」の監視データからユーザーのコンテナ利用状況を分析した調査結果を、年次レポート「コンテナ利用に関する10のインサイト」として公開した。
調査は今回で5回目で、今回の調査から浮かび上がる、以下の10のインサイトを挙げている。
(1)コンテナの主要なワークロードは、データベース管理システム(DBMS)とWebサーバーである。いずれも、コンテナを利用する組織の40%以上がこれらのワークロードにコンテナを使っている(図1)。
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(2)コンテナで最も使われる開発言語は、サーバー側で動作するJavaScriptのNode.jsで、コンテナ利用組織の40%以上が使っている。これにJava、Pythonが続く(図2)。
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(3)コンテナランタイム(実行環境)は、Dockerからcontainerdに移りつつある。containerdの採用比率は、前年の23%から2023年では53%と倍増している。一方、Dockerの採用率は前年の88%から2023年は66%に低下している(図3)。
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(4)コンテナの65%以上は、CPU使用率とメモリー使用率の両方とも半分未満である。サイジング(容量設計)が難しく、余裕をもってサイジングしているユーザーが多いことの現れである(図4)。
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(5)コンテナでのGPU使用量(GPUインスタンス時間)が増加傾向にある。GPUインスタンスの実行時間は前年比で58%伸び、非GPUインスタンスの増加率は25%である。GPUが有効なAIのワークロードが増加傾向にあることを示している。
(6)CPUにArmプロセッサを採用したインスタンスの使用率が高まっている。前年の2.6%から2023年は7.1%と、2倍以上である。コスト効率の良さからArmが選ばれていると考えられる。
(7)サーバーレスコンテナの採用が増えている。コンテナ利用組織の46%がサーバーレスコンテナを実行し、2年前の31%から15ポイント増となった。サーバーレスコンテナの実行環境は、3大クラウドのうちGoogle Cloudの利用が最も多い(図5)。
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(8)Kubernetesを利用する組織の過半数が、水平ポッドスケーリング(HPA)を利用している。また、HPAを利用する組織の80%以上は、Kubernetesクラスタの半分以上でHPAを利用している。内訳は、45%は全クラスタで利用、37%は半分以上のクラスタで利用、18%は半分未満のクラスタで利用している。
(9)運用するKubernetesのバージョンは新しいものが多い。多くの組織が早めにバージョンアップを行っている。
(10)1000台以上のホストを運用する組織の40%以上がサービスメッシュを利用している。