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[調査・レポート]

インボイス制度対応の実態、64.4%で請求書関連の業務負担が増加─インフォマート調査

経理・財務担当者の8割が業務負担増を感じると回答

2024年2月8日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

インフォマートは2024年2月7日、インボイス制度と電子帳簿保存法の対応実態を調査した結果を発表した。インボイス制度が2023年10月に始まり、同年12月末で電子帳簿保存法の宥恕措置が廃止されたタイミングで、同社の「BtoBプラットフォーム」のユーザーを対象に調査した。インボイス制度への対応で、6割以上が請求書関連業務の負担が増えたと回答。一番苦労していることの1位は「発行する適格請求書の記載要件チェック」(20.1%)だった。

 インフォマートは、インボイス制度と電子帳簿保存法の対応実態を調査した。契約・受発注・請求などバックオフィス業務を電子化する同社の「BtoBプラットフォーム」のユーザーを対象に2023年12月15日~22日に調査し、518人の回答を得ている。インボイス制度が2023年10月に始まり、同年12月末で電子帳簿保存法の宥恕(ゆうじょ)措置が廃止されたタイミングでの調査となった。

経理・財務担当者の82.4%で業務負担増

 2023年10月施行のインボイス制度への対応において、請求書関連の業務負担が増えたか聞いた(n=421)。「とても感じる」(25.4%)と「やや感じる」(39.0%)を合わせ、負担が増えたと感じているとした回答が64.4%という結果になり、多くの企業で対応への負担増加が起きていることが分かった(図1)。

図1:インボイス制度への対応で、請求書関連業務の負担が増えたかを聞いた結果(出典:インフォマート)
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 担当者別で見ると、経理・財務担当者は「とても感じる」と「やや感じる」の合計が82.4%に及び、経理・財務担当者以外は59.8%だった。

 インボイス制度が始まってから一番苦労していることを聞いたところ(n=518)、1位は「発行する適格請求書の記載要件チェック」(20.1%)、2位は「適格請求書発行事業者と免税事業者等の管理」(16.8%)、3位は「取引先ごとの消費税額と消費税区分のチェック」(14.5%)だった(図2)。

図2:インボイス制度開始後に一番苦労していること(出典:インフォマート)
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請求書受領に伴う業務が増加

 発行・受領する請求書の処理時間の変化を聞いたところ、「処理時間が増えた」と回答したのは、発行で29.6%(n=260)、受領で39.6%(n=359)だった(図3)。

図3:インボイス制度による、請求書処理時間の変化(出典:インフォマート)
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 具体的な業務内容を聞いたところ、発行側では消費税の計算、受領側では事業者登録番号の確認や記載不備のチェックなど、業務フローの変化によって業務負担が増えていた。一方で、「郵送の手間が省けた」「ペーパーレス化が進んだ」「請求書の処理時間が短縮された」など、業務のデジタル化によってメリットを感じる声もあった。

 電子で受け取る請求書が増えたか聞いたところ(n=359)、「増えた」(27.3%)と「少し増えた」(40.1%)を合わせて67.4%が増えたと回答した(図4)。「法令対応をきっかけにシステムを導入するなど、社会全体で請求関連業務の電子化が進んでいる」(インフォマート)。

図4:インボイス制度開始後に電子で受け取る請求書が増えたかを聞いた結果(出典:インフォマート)
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 受け取った請求書のうちインボイスに対応していない請求書の割合を聞いたところ(n=359)、75.2%が「全体の10%未満」と回答し、9割以上の請求書が適格請求書の要件を満たしている(図5)。「要件を満たしていない場合は原則、仕入税額控除の適用を受けられないため、ほとんどの事業者がインボイス制度の開始に合わせて対応を行ったと考えられる」(同社)。

図5:受け取った請求書のうちインボイスに対応していない請求書の割合(出典:インフォマート)
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●Next:電子帳簿保存法対応にどのぐらいの業務負担増を見込むか

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