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レガシーモダナイゼーションは生成AIで次の段階へ
難易度の高いプロジェクトを成功に導く2つのアプローチとは

2024年3月15日(金)

あらゆる企業でデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められている中、その阻害要因となっているのがレガシーシステムである。メインフレーム時代から部分的な改修や継ぎ足しの機能追加を繰り返しながら、場合によっては数十年にわたる運用を続けてきた結果、中身が複雑化・ブラックボックス化してしまったシステムだ。こうしたレガシーシステムをクラウドネイティブなシステムへと刷新する難易度の高いモダナイゼーションを、アバナードは生成AIを活用しながら一貫して支援。難易度の高いプロジェクトを確実なものとするための要諦について、キーパーソンに伺った。
提供:アバナード株式会社

アバナード株式会社 アプリケーション&インフラストラクチャー統括 シニアディレクター 奥平 健吾 氏

レガシーシステムが企業に及ぼすリスク

 レガシー化したシステムを、この先も使い続けることにはどんなリスクがあるのだろうか。アバナード株式会社 シニアディレクターの奥平 健吾氏は、次の3点を挙げる。

 まずは高止まりする維持コストだ。メインフレーム時代から継承されてきたレガシーシステムは、特定ベンダーのロックイン状態にあり、価格交渉の主導権を握られていることから保守費用は年々増加していく傾向にある。

 「加えてハードウェアやOSのEOS(サポート終了)に合わせて、基盤を5~6年のライフサイクルで更改する必要があり、完了してもすぐに次期の移行プロジェクトを開始するなど、多大なリソースを資産維持のために費やし続けています」(奥平氏)

 次にビジネスアジリティの低下である。モノリシック(一枚岩)構造で作られた大規模なレガシーシステムに新たな機能を追加するとなれば、半年から年単位の期間を要してしまうのが実情だ。「本来の経営や事業からの『来週までに新サービスを展開したい』といった、ビジネス側のニーズに即応できません」(奥平氏)。

 そして3つ目が、人材確保の困難である。レガシーシステムはCOBOLやアセンブラなどで構築されたものが多く、現在ではこれらの言語のスキルを持つ技術者は減少傾向にあり、新たに学びたいと望む若手もいない。

 「そもそも40年前の技術者が作ったシステムなので、ソースコードを読むこともできず、どんな処理を行っているのか誰も中身を理解できません。DXの阻害要因となるのはもとより、それ以前の問題として新たに発覚したセキュリティ脆弱性への対応も容易ではありません」(奥平氏)

レガシーモダナイゼーションを推進する2つのアプローチ

 レガシーシステムが抱えるリスクから一日も早く脱却したいと考える多くの企業から注目されているのが、「メインフレームからクラウドネイティブへ」をキーワードとするモダナイゼーションだ。

 この取り組みにおいて、どのアプリケーションを対象に、どんな形でクラウド移行するのかを判断する際の基準となるのが、以下に示す「7R」だ。

・Reimagine:レガシーシステムをデカップリングなどの手法を用いて新たに構築したシステムに機能を移行する
・Refactor:レガシーシステムで使用されていたコードを言語変換など行い、新たなプラットフォームで動作させる
・Replace:パッケージアプリケーションやSaaSを用いて、レガシーシステムで実施していた業務を置き換える
・Replatform:レガシーシステムで使用されていたコードを用いて新しいプラットフォーム上で動作させる
・Rehost:レガシーシステムで使用されていたアプリケーションをできるだけそのまま新しいプラットフォーム上で動作させる
・Retire:一部のレガシーシステムを廃止する
・Retain:一部のレガシーシステムを塩漬けにする

 アバナードではこの7Rをベースとし、アプリケーションの数に応じてレガシーシステムのモダナイゼーションを推進していく2つのパターンを提唱している。

 1つ目は、所有するアプリケーションの数が少ない場合に適した「マイグレーション駆動」のアプローチだ。いわゆる「Lift & Shift」の方法をとるもので、既存のアプリケーションをRehostまたはRefactorによってクラウドに移行した後に、クラウドネイティブなアプリケーションへのモダナイゼーションを行う。

 2つ目は、大量のアプリケーションを所有している場合に適した「モダナイゼーション駆動」のアプローチである。各アプリケーションについて7Rの手法に基づいた移行を徐々に行い、選択的にクラウドネイティブなアプリケーションへの再構築を行う。

レガシーモダナイゼーションにおける2つのアプローチ
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 レガシーシステムのクラウド移行を一気に実現し、モダナイズされたアプリケーションのリリースまでの期間を短縮する面でよりメリットが大きいのは、前者のマイグレーション駆動のアプローチのほうだ。ただし先に述べたとおりこの手法ができるのは、あくまでも所有するアプリケーションの数が少ない場合に限られる。

 その意味で大半の企業にとっては、モダナイゼーション駆動のアプローチを採用するほうが現実的となる。

 「レガシーシステムとの併用期間が長期化する傾向はありますが、アプリケーションを段階的に移行することでリスクを最小化できます。例えば金融機関では、まず営業端末系や情報系のアプリケーションから移行に着手し、最後に勘定系アプリケーションの移行に取り組むというアプローチが考えられます」(奥平氏)

Refactorにまつわる問題を解決する
Avanade Automated Migration Technology (AMT)

 もっとも、どちらのアプローチを採用した場合でも苦労は伴う。

 例えばCOBOLやアセンブラなどの言語で書かれたソースコードを、JavaやC#など現在の主流となっている言語に書き直すRefactorは、共通化が可能なプログラム部品の洗い出しや、マイクロサービス化を見据えた機能のデカップリング(分離)など、モダナイゼーションを推進するための非常に重要な下準備となる。

 もっとも単純なコード変換については比較的短時間・少工数で済むものの、多大な労力を要するのはその後の作業だ。

 「Refactorしたソースコードを再コンパイルして仮にそのまま動いたとしても、新・旧それぞれのアプリケーションの実行結果が完全に一致するのか、比較テストに膨大な時間をかけなければなりません。浮動小数点演算の精度やデータ形式の違いにより、新・旧それぞれのアプリケーション間で出力される数値に差異が生じる可能性があるからです。この確認および修正作業のために、移行プロジェクトの担当者は非常に重い負担を強いられることになります。また、業務単位で段階的な移行を行う場合、その過渡期には新・旧のアプリケーション間で異なるUIが混在することになるため、利用面での調整にも苦労することになります」(奥平氏)

 この課題を解決するためにアバナードが提供しているのが、「Avanade Automated Migration Technology(AMT)」と呼ばれる一連のソリューションである。

 具体的には、ソースコードはもとよりデータ(データベースとデータファイル)、ジョブ/ワークフローまで100%自動変換するコンバーターの「AMT Transform」、新プラットフォーム上での効率的なオペレーション管理(スケジューリング、セキュリティ、コンフィギュレーション、プロセス、アウトプット)を支援する「AMT Control Center」、COBOLをそのまま新システムでメンテナンスする場合にアプリケーション開発を支援する「AMT Dev Studio」といったラインナップを取り揃えている。

 「お客様と緊密に連携しながらこれらのツールを活用し、手作業による移行エラーのリスクを軽減するとともに、移行後の環境の動作まで確実に予測することで、移行プロジェクトを成功に導きます」(奥平氏)

レガシーモダナイゼーションを支援するAvanade Automated Migration Technology のソリューション
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生成AIを活用することで
モダナイゼーションのプロセスを自動化

 さらにアバナードの新たな取り組みとして特筆すべきが、生成AIを活用したモダナイゼーションの支援である。

 「アバナードとして豊富な実績を持つレガシーモダナイゼーションのプロセスをマイクロソフトの生成AI環境であるAzure OpenAI Serviceで学習させ、さらにGitHub CopilotやAzure AI Search、前述のAMTといったツールを適用することで、移行プロジェクトにさらなる効率化とコスト削減をもたらします」(奥平氏)

 実際に生成AIがレガシーモダナイゼーションの各プロセスに対して、どんな効果を発揮するのか俯瞰してみよう。

 まずCOBOLなどで書かれた既存のソースコードを生成AIに読み込ませることで、アプリケーションとデータの依存関係の分析、コードの要約、内容説明、ドキュメント化などの作業を自動化することが可能となる。これによりソースコードに対する担当者の理解は大幅に深まり、現状のアプリケーションの課題発見につながる。

 続いて生成AIは、モダナイゼーションのターゲット戦略やロードマップ策定におけるユーザーストーリーの作成を支援する。

 そしてソースコードのRefactorにおいては、既存の変換ツールなどと組み合わせて使用することで、インフラのプロビジョニング、テストケースの作成、デプロイの検証まで支援する。

 さらにこのアウトプットを受けて、クラウドネイティブなアプリケーションへのモダナイズを進める段階では、新しいコンポーネントとモジュールの開発、UI作成、レガシーシステムや他のシステムとの統合、API作成、コードレビューを支援する。

 それだけではない。モダナイズされたアプリケーションが運用を開始した後も、生成AIは監視とアラート、会話型エージェントを通じた操作、履歴データの分析、コンテンツのQ&A/検索、チケットの解決までトータルに支援するのだ。

 「膨大な時間と工数をかけて既存のソースコードを読み解き、モダナイゼーションの下準備を行っていた作業が、生成AIによって大きく自動化される効果は絶大です。これによって生み出された余力によって、お客様はアプリケーションの機能強化やブラッシュアップに専念することが可能となります」(奥平氏)

生成AIを活用したレガシーモダナイゼーションの移行プロセス
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 なお、アバナードではここまで紹介してきたAMTや生成AIを活用したソリューションを単に提供するだけではなく、レガシーモダナイゼーションの前段階となる現行資産の棚卸しからアセスメント、移行プロジェクトの支援、移行後のシステムの運用保守、人材教育に至るまで一貫したサポートメニューを整えているのが特徴だ。

 また、グローバルに生産拠点や販売拠点を展開する日本企業のレガシーモダナイゼーションにもしっかり対応できることも、アクセンチュアとマイクロソフトのジョイントベンチャーとして誕生したコンサルティングパートナーならではの強みだ。レガシーモダナイゼーションに悩んでいるならば、まずはアバナードに相談してみることをお勧めしたい。


●お問い合わせ先

アバナード株式会社

 

URL:https://www.avanade.com/ja-jp/
Email:tokyo@avanade.com

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