IDC Japanは2024年5月13日、国内IoT製品・サービス市場の予測を発表した。2023年のユーザー支出額の実績は6兆4672億円だった。2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR)は8.0%で、2028年には9兆4818億円に達すると予測している。物流、建設、医療分野でIoTの導入が進むと見ている。
IDC Japanは、国内IoT製品・サービス市場の予測を発表した。2023年のユーザー支出額の実績は6兆4672億円だった。2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR)は8.0%で、2028年には9兆4818億円に達すると予測している(図1)。
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産業分野別では、2024年~2028年に労働人口の減少や労働規制の強化によって人手不足が深刻化することから、物流、建設、医療分野でIoTの導入が進むという。主なユースケースとして、物流効率を高めるスマート倉庫管理、建設作業を効率化する建設アセット管理、院内クリニカルケアを挙げている。
技術別では、ハードウェアの支出割合は2023年の38.6%から2028年の35.2%に減少する。ソフトウェアは20.6%から22.9%に、サービスは30.8%から33.4%にそれぞれ増加すると予測している。
企業のIoT導入目的についてIDCは、、単純な数値計測から「物流分野における配送経路の最適化」や「製造業などにおける機械学習や分析と組み合わせた機械装置の予兆保全」など、高度な用途にシフトしていくとの見解を示している。
IDCは、高度なユースケースの増加に伴い、導入サービスやアナリティクスソフトウェアにかかる費用の上昇率が、センサー/モジュールなどのハードウェアを上回っていると指摘。こうした動きが技術グループごとの支出割合の変化の背景にあると同社は見ている。
「物流、建設、医療などでの顕著な人材不足や、スマートメンテナンスやコネクテッドカーといった新たな技術・製品・サービスの普及、サイバーセキュリティリスクに対応する政府による認定制度の構築などが、国内IoT市場の成長に影響を及ぼしている」(同社 Infrastructure & Devices リサーチマネージャーの山下頼行氏)
今回の発表は、IDC Japanの「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測、2024年~2028年」に基づく。同レポートは、国内IoT市場全体の概況に加えて、18業種の産業分野を製造/資源、流通/サービス、公共/インフラ/金融の3つに分類し、産業分野別、ユースケース別、テクノロジー別に分析している。