[調査・レポート]

国内の予兆検知製品・サービス市場は2028年度まで年10.5%増で成長、社会インフラで需要増─デロイト トーマツ ミック研

2024年6月17日(月)IT Leaders編集部

デロイト トーマツ ミック経済研究所は2024年6月14日、国内の予兆検知製品・サービス市場に関する調査結果を発表した。2023年度は前年比7.5%増の187億円に成長した。現在は、製造業に加えて発電所やビル、鉄道などの社会インフラも予兆検知の対象になっている。2028年度まで年平均10.5%増で成長し、308億円規模に達すると予測している。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、予兆検知製品・サービス市場に関する調査結果を発表した。同市場の主要SIベンダー、AIベンダーなど33社への調査とその他ベンダーの推計から市場規模を算出し、これら参入企業の実績や戦略を分析して用途別、構成要素別、業種別に予測している。

 2023年度の市場規模は、前年比7.5%増の187億円に成長した。2028年度まで年平均10.5%増で成長し、308億円規模に達すると予測している。

 「予兆検知製品・サービス市場は、AIを活用した設備やインフラの予知保全への注目を背景に拡大しているが、工場設備は定期保守によって十数年稼働するため、市場成長率は緩やかである。大企業を中心に、AIを活用した予知保全・予兆検知への取り組みは一巡しており、期待先行型から地に足の着いた取り組みへとシフトしている。また、これまでメインターゲットだった製造業に加え、発電所やビル、鉄道などの社会インフラも予兆検知の対象になっている」(同社)

図1:予兆検知の製品・サービス市場における推移(用途別)(出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所)
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 用途別では、最大の「設備系故障予知」の市場は、2023年度に対前年比6.0%増だった。成長率は他の用途と比べて小さいが、火力発電所や風力発電設備などのエネルギーインフラが成長を後押ししているという(図1)。

 「不良品予知・最適化」市場は、前年比9.5%増と堅調で、結果の見えにくい設備系故障予知と比較して投資意欲は高く、素材系製造業を中心に拡大が続いているという。

 予兆検知の対象として有望な用途として同社は、(1)設備・システムの計画外停止リスクが大きな施設・設備と、(2)点検において人への依存度が高い設備の2つを挙げる。

 (1)の例が、化学・電力・ガスプラントのようなプラント系設備である。システム停止時に生じる素材損失のリスクが非常に大きく、損害規模は億円単位に達するケースもあるという。「飲料系製造業もプラントに近い設備を持つため、ユースケースが増え始めている」(同社)。

 (2)についても、AIによる置き換え需要が大きいという。「特に、人間の五感を使って異常を見つける官能検査は人への依存度が高い。ノンクリティカルな設備であっても、AI検査システムの導入ニーズが高まっている」(同社)。

 デロイト トーマツ ミック経済研究所は、今回の調査結果をまとめたレポート「予兆検知ソリューション市場の実態と将来展望 2024年度版~工場から社会インフラへ波及する予兆検知市場~」を2024年6月に発刊している。

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