[調査・レポート]
DX人材育成の課題は「スキル向上/獲得へのマインドシフト」が48.3%で最多─IPA調査
2024年7月23日(火)IT Leaders編集部
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2024年7月22日、デジタル人材の動向を調査・分析したレポート「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)」を公開した。企業の58.2%はDX推進人材が「大幅に不足している」と回答している。人材育成の課題は、社員の「スキル向上・獲得へのマインドシフト」が48.3%で最多だった。
デジタル化の進展の中、自社でデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する人材の不足がますます顕在化している──。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、デジタル人材の動向を調査・分析したレポート「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2023年度)」を公開した。
企業の調査対象は、事業会社の人事部門、情報システム部門、DX推進部門などで、2024年2月9日~5月2日の調査期間で、1013件の有効回答を得ている。一方、個人の調査対象は、20~59歳の企業に所属するデジタル人材、特定の企業に属さないデジタル人材(フリーランス)で、同年2月7日~3月16日の調査期間で、企業に所属するデジタル人材から1210人、特定の企業に属さないデジタル人材から391人の有効回答を得ている。
IPAの別の調査レポート「DX動向2024」によると、DXを推進する人材が「大幅に不足している」と回答した企業は、2022年度の44.3%から58.2%に増加。DXを推進する人材の育成にあたっての課題は、社員の「スキル向上・獲得へのマインドシフト」が48.3%と最多で、個人が適切な学びを自律的に行うマインドへのシフトが求められている(図1)。
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2024年4月には、自律的な学びを促進する企業への調査結果を「事例企業における自律的な学び促進の取り組み」として公開。合わせて、組織のデジタルを担う人材個人にも調査を実施した。これらの結果(企業アンケート、企業インタビュー、個人アンケート)を合わせ、自律的な学びについて分析し、考察を今回公表のレポートにまとめている。
図2は、自身の学びに対する状況を尋ねた結果だ。「自律的な学びが習慣化されている/継続している」は全体の約33%で、特に学びの成果を実践しやすい先端IT従事者では39%だった。また、「自律的な学びが習慣化されている/継続している」の回答者は、人材市場における自身の相対的な位置について「十分に競争力がある」「相対的な位置を把握している/把握しようとしている」と回答する割合が高かった。
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自身が働きたいと思う企業に重要視することを尋ねたところ、自律的な学びができている回答者は、できていない回答者に比べて総じてエンゲージメントが高く、企業との間で選び・選ばれる関係構築が築かれていることがうかがえるという。特に、企業の文化や価値観、心理的安全性、学びと実務実践の場や支援などの項目で満足とする回答が多い。
●Next:自律的に行動できる人材に選ばれることが、企業の持続可能性を左右する
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