NECは2024年9月13日、インターネット上の情報の真偽をAIで分析してファクトチェックを支援する「偽・誤情報分析技術」を開発すると発表した。日本ファクトチェックセンターなどの機関や放送局などのマスメディアにおいて有効性を検証し、精度向上を目指す。総務省「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」として同年8月～2025年3月の期間で取り組む。
NECは、インターネット上の情報の真偽をAIで分析してファクトチェックを支援する「偽・誤情報分析技術」を開発すると発表した。総務省「インターネット上の偽・誤情報対策技術の開発・実証事業」として2024年8月～2025年3月の期間で取り組む（図1）。
図1：偽・誤情報分析技術の概要（出典：NEC）拡大画像表示
開発した技術は、日本ファクトチェックセンターなどの機関や放送局などのマスメディアにおいて実用性を検証し、精度を向上させて実用化を目指す。また、防災をはじめとする各種領域での応用を検討していく。
「インターネットにおける生成AIや編集ツールによる偽・誤情報の氾濫が社会問題になっている。ファクトチェック機関や信頼性の高い情報を発信する責務を有するマスメディアなどでは、真偽の判定と判定結果にかかるレポートの作成に工数を要している」（NEC）
開発する技術は、複数の種類のデータ（テキスト、画像、動画、音声）で構成するコンテンツが偽・誤情報かどうかをAIで分析し、内容の真偽を分析する。以下のプロセスで真偽を総合的に判定するという。
- 画像などが生成・加工されていないかを検知
- 複数の種類のデータをAIで認識してテキスト化
- 認識したテキストの内容が正しいか、出典のある情報か、データ間の矛盾（テキストと動画の内容の食い違いなど）がないかなどを偽情報分析に特化したLLMで評価
判定結果は、ファクトチェック機関の専門家が作成する報告書に近い形式でレポートを作成する。その内容は、信頼性の低い根拠の削除、新たな根拠としての情報付加など、分析者の指示に応じて調整可能で、組織におけるファクトチェック業務を容易化・効率化する。
