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サプライチェーンのGHG排出量算定を効率化する「一次データ流通基盤」の共同実証─ユニ・チャーム、花王など

2024年9月30日(月)IT Leaders編集部

ユニ・チャーム、花王、大王製紙、ライオンなどは2024年9月27日、日用品メーカーや資材メーカー、IT企業による、脱炭素社会に向けた「一次データ流通基盤」の構築に向けた実証実験の概要を発表した。一次データ流通基盤の構築は国内の日用品業界において初めての試みとなる。GHG排出量の算定に必要となる一次データを共通のプラットフォーム上で流通させることを目的とし、資材購買などで取り引きのある日用品メーカーと資材メーカーによる安全なデータ流通を目指す。

 ユニ・チャーム、花王、大王製紙、ライオンなどは2024年9月27日、日用品メーカーや資材メーカー、IT企業による、脱炭素社会に向けた「一次データ流通基盤」の構築に向けた実証実験に取り組んでいる。一次データ流通基盤の構築は国内の日用品業界において初めての試みとなる(表1)。

 GHG(温室効果ガス)排出量の算定に必要となる一次データを共通のプラットフォーム上で流通させることを目的とし、資材購買などで取り引きのある日用品メーカーと資材メーカーによる安全なデータ流通を目指す。

表1:「一次データ流通基盤」共同実証実験の参画企業(出典:ユニ・チャーム、花王、大王製紙、ライオンなど)
参画企業のカテゴリ 社名
日用品メーカー 花王、大王製紙、ユニ・チャーム、ライオン
資材メーカー エム・エーライフマテリアルズ、JNC、住友精化、TOPPAN、日本触媒、三菱ケミカルグループ、レンゴー
データ流通基盤の構築・運用 NTTコミュニケーションズ
全体事務局 デロイト トーマツ コンサルティング

 一次データとは、事業者が自社で測定したデータ(自社製品製造の消費電力量など)や、外部ステークホルダーへの聞き取り調査を通じて収集したデータ(取引先の自社関連排出量など)を指す。

 共同実証実験で検証する内容として、①サプライチェーン連携の効率化と②データ秘匿性の確保を挙げる。

①サプライチェーン連携の効率化
 データ授受をデータスペースプラットフォームを介して行うことで、データ提供社が個別対応せずとも受信社が必要な情報を受け取ることができるか否かを確認し、業務効率の状況を検証する。

②データ秘匿性の確保
 従来の中央集権的なデータベースとは異なり、流通基盤管理者へのデータ提供の必要はなく、提供者と指定された開示先にのみ保存される分散型の仕組みをとることで、高い秘匿性を確保する。実際にデータ流通させて、安全なデータ流通の実用性を検証する。

 実証実験は表2のスケジュールで、2024年12月の完了を目指している。

表2:実証実験のスケジュール(出典:ユニ・チャーム、花王、大王製紙、ライオンなど)
時期 フェーズ 内容
2024年7月~9月 実務者協議の開催 関係者が集まり、システムに必要な要件やデータ流通の課題等を協議する
2024年10月予定 実証実験開始 一次データをプラットフォーム上で流通させる実証実験を開始する
2024年12月予定 実証実験終了 実証実験が終了し、データ流通の効果や課題を評価し、次のステップに向けた取り組み案について検討する
2025年以降 実証成果の公表および社会実装に向けた検討 実証実験の成果を公表し、サプライチェーン全体でのデータ流通プラットフォームの社会実装に向けて準備を進める
関連キーワード

サプライチェーン / ESG / ユニ・チャーム / データ流通 / 物流 / 製造 / 協業・提携 / NTTコミュニケーションズ / 花王 / 大王製紙 / ライオン / Deloitte / 消費財 / 脱炭素社会 / SDGs

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