[事例ニュース]

住信SBIネット銀行、kintoneによる内製開発で顧客対応フローを改善

表計算ソフトとメールによる社内確認を改めて効率化

2024年10月23日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

住信SBIネット銀行(本店:東京都港区)は、ビジネスの規模拡大に伴い課題となっていたカスタマーセンターから他部署へのエスカレーションの仕組みを改善した。表計算ソフトウェアとメールによる作業フローをサイボウズのローコード/ノーコード開発ツール「kintone」で再構築し、工数を半分にすることができた。サイボウズが2024年10月23日に発表した。

 インターネット専業銀行として2007年に開業した住信SBIネット銀行。自行のデジタルバンク事業をはじめ、パートナー企業にフルバンキング機能を提供するBaaS(Banking as a Service)事業やカーボンクレジット事業など従来の銀行業を超えて事業領域を拡大している。

 同行のカスタマーセンターでは、オペレーターが顧客からの問い合わせ内容を所管部に確認する手段として、表計算ソフトウェアとメールを利用してエスカレーションを行っていた。しかし、事業規模の拡大につれ、大量データによるファイル破損や、大人数でのファイル共有によるデータ更新/メール送受信時のオペレーションリスクなどの課題が生じていたという。

 これらの課題を解決するため、サイボウズのローコード/ノーコード開発ツール「kintone(キントーン)」を導入し、情報共有基盤の整備や業務フローの改善に取り組んだ(図1)。結果、それまで複数人月の工数を要していたエスカレーション工数を半分にすることができたという。また、データの信頼性・堅牢性が高まり、業務の高度化にもつながったとしている。

図1:kintoneを使った、カスタマーセンター各部署へのエスカレーションの概要(出典:サイボウズ)
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 現在はカスタマーセンター以外の複数部門にkintoneの導入が拡大している。当初20ユーザーで契約したkintoneアカウントは、導入から2年経った現在、550ユーザーにまで増えている。PoCを含めて200を超えるアプリケーションをkintoneで構築したという。

 顧客の電話での問い合わせに自動応答する対話型AIの質を向上させる用途にもkintoneの活用を始めた。kintone上でAIを利用可能にするM-SOLUTIONSのプラグインを使って質問文などのシナリオを作成し、対話型AIが回答内容をテストしているところである(関連記事住信SBIネット銀行、カスタマーセンターの電話応対をAIアシスタントで自動化)。

 今後、各種システムと利用者をつなぐフロントエンドUIとしてkintoneを活用していく予定もある。また、Amazon Web Services(AWS)上に展開している基幹システムとのAPI連携を進めて、クラウド内で業務が完結する環境を目指していく。

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