[事例ニュース]
トヨタシステムズ、基幹システムのアップデート作業に生成AIを活用、作業時間を半分に
2024年10月24日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
トヨタシステムズ(本社:愛知県名古屋市)は2024年10月24日、基幹業務システムのアップデート作業を生成AIで自動化する検証を行い、人手による作業と比較して作業時間を50%削減したと発表した。富士通の「Fujitsu Kozuchi Generative AI」を用いて、OS/プログラミング言語の非互換情報の調査、非互換箇所の抽出、プログラム修正を生成AIで自動化。2025年1月から実業務への適用を開始する。
トヨタシステムズは、トヨタグループが利用する生産・物流・販売などの基幹業務システムを開発・運用している。これらのシステムを構成するOSやプログラミング言語をアップデートする際、ソフトウェアの非互換情報調査、非互換箇所の抽出、プログラム修正、テストなどの作業に多大な手間がかかっていたという。
同社は以前より、システム開発領域への生成AIの活用に取り組んできた(関連記事:トヨタシステムズ、システム開発に生成AIを適用、コードや仕様書を自動生成)。今回は、基幹システムのアップデート関連作業を生成AIで自動化する検証を2023年10月に開始。生成AI/LLM(大規模言語モデル)サービスに、富士通の「Fujitsu Kozuchi Generative AI」を採用した。
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検証では、JavaやSQLJで開発した約1万5000ファイルを対象に、非互換情報に基づいて生成AIがシステムに影響が予想される非互換箇所を抽出し、プログラムを修正した。その結果、正確に修正されていること、人手で行った場合と比較して作業時間を約50%削減できることを確認した(図1)。
検証結果を受けてトヨタシステムズは、2025年1月から実業務への適用を開始する。今後は、JavaやSQLJ以外のプログラミング言語やテスト工程にも生成AIの適用範囲を広げる。また、グループの他システムやプロジェクトにも展開していく計画だ。