NTTデータ先端技術は2024年10月31日、統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」の周辺ツールでアラートメッセージをフィルタリングする「Hinemosメッセージフィルタ」の機能を強化し、Hinemos以外の運用管理ツールが発したメッセージも取り込んで処理できるようにした。社内で発生する大量のアラートから対応が必要なものだけを残すことで、イベントに対する運用コストを削減する。
NTTデータ先端技術の「Hinemos(ヒネモス)」は、オープンソースのシステム運用管理ソフトウェアである。HTTPで通信する専用エージェントをインストールしたPCサーバー(Linux、Windowsなど)やSNMP対応のネットワーク機器を一元管理する。システム稼働監視、パッチ適用などデプロイ管理、ジョブ管理などの機能を提供する(関連記事:OSSの運用管理ツール新版「Hinemos ver.7.0」、メッセージをフィルタリング可能に)。
Hinemosの周辺ツールに、Hinemosをはじめとする運用管理ツールが出力するアラートメッセージをフィルタリングする「Hinemosメッセージフィルタ」がある。フィルタ条件を「When/Then」で定義することで、大量のメッセージから本質的なイベントを検出する。
ルールとして例えば、条件「When(スイッチAが警告)」に対してアクション「Then(警告を危険に変更)」を起こすことができる。複合イベント処理機能(CEP)も備えており、「サーバーAの障害発生の5分前までにスイッチの障害があったか」などをWhenの条件として指定可能である。
今回、Hinemosメッセージフィルタの機能を強化し、アラートメッセージを受け取れる運用管理ツールを拡充した(図1)。これまではHinemosによる監視/ジョブ実行から発するメッセージに限られていたが、新たに日立製作所の「JP1/IM」とオープンソースソフトウェアの「Zabbix」からメッセージを受け取れるようにした。社内で発生する、より広範なアラートをフィルタリングの対象にできることから、イベントに対する運用コストを削減する。
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ほかには、フィルタリングルール(When/Then)を簡単に開発できるように、生成AIを活用したルール生成アシスタント機能を追加している。ルールはDRL(Drools Rule Language)言語で定義するが、これまでは管理者が人力で記述していた。今回、生成AIアシスタントにより自然言語でフィルタリング要件を指定できるようになった。ルールの作成やメンテナンスが容易にする。