マルチブックは2025年2月3日、クラウドERP「multibook」の新機能として、新リース会計基準に準拠するための機能を2025年4月に提供開始すると発表した。既存のIFRS16号対応機能の実績と知見をベースにしている。複雑なリース契約が可能になるほか、リース資産業務を自動化する。
マルチブックの「multibook」(画面1)は、クラウド型の会計/ERPアプリケーションである。会計、ロジスティクス(在庫管理、販売管理、購買管理)、固定資産、従業員経費精算などの機能を持つ。海外拠点を持つグローバル企業に向いており、11言語と通貨による会計業務や為替換算が可能である(関連記事:海外拠点向けクラウドERP「multibook」、不正取引を検知する機能を追加)。

拡大画像表示
2025年4月に新リース会計基準に準拠するためのシステム機能を追加する。新リース会計基準は、2027年4月1日以後に開始する年度から強制的に適用になる。原則として、全リース取引についてオンバランス処理が求められ、会計処理に変更が生じる。
例えば、財務諸表への影響として資産および負債が増大する。損益計算書やROA(総資産利益率)などの経営指標にも影響がある。「複雑な計算が必要になることから、Excelなどによる対応には限界がある。経理部門の負担が増えるので、システムの導入を含めて早期に対応することが求められている」(マルチブック)。
multibookはすでに、IFRS16号に準拠したリース資産管理機能を提供済み。これまで製造業、自動車メーカー、ITサービス企業など国内外の複数の企業が同機能を活用している。この実績と知見を基に、IFRS16号を踏襲した新リース会計基準準拠のための機能をリリースする。
複雑なリース契約に対応する。多段階(最大300段階)のリース料金設定、フリーレント、複数月前払、後払、条件変更、満期継続、中途解約など各種の契約形態をカバーする。
リース資産業務のすべてを自動化する。少額・短期・資産計上の自動判定、割引率の自動設定、自動計算(使用権資産当初計上額、リース負債当初計上額、毎月の返済額・支払利息額・減価償却費)、仕訳の自動生成機能などを提供する。リース契約ごとに償還表の出力も可能である。