[新製品・サービス]
秘密分散データ保護「ZENMU Virtual Drive」にVDI/DaaS特化版、月額500円で提供─ZenmuTech
2025年2月18日(火)IT Leaders編集部
ZenmuTechは2025年2月17日、秘密分散技術によるデータ保護サービスの新エディション「ZENMU Virtual Drive Limited Edition(ZLE)」をリリースした。料金(税別)は月額500円。VDIやDaaSの端末にシンクライアントではなく通常のPCを用いるケースを想定し、機能を絞り込むことで、既存エディションの3分の1の料金での提供を可能にしている。
ZenmuTechの「ZENMU Virtual Drive Limited Edition(ZLE)」は、秘密分散技術によるデータ保護サービス「ZENMU Virtual Drive」の新しいエディションである。
Virtual Drive ZLEは、VDI(デスクトップ仮想化基盤)やDaaS(Desktop as a Service)を利用する企業に特化したエディションとして、月額ライセンス料が500円(税別)と、既存エディションの「ZENMU Virtual Drive Enterprise Edition(ZEE)」(1800円)の3分の1以下で提供する。
秘密分散は元データを複数に分割して無意味化し、分散片の全部が揃わないと元データを復号できないようにするデータ保護技術である。分散片の大半をPCに、残りを別のデバイスに分散保管するといった運用でデータを保護する。分散先のデバイスはサーバーやクラウドに限らず、USBメモリーやスマートフォンでもよく、ネットに接続できない環境でも利用できる(関連記事:秘密分散による情報漏洩対策ストレージ新版「ZENMU Virtual Drive 2.0」、仮想ドライブのサイズを拡張可能に)。
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既存エディションの「ZENMU Virtual Drive Enterprise Edition(ZEE)」は初期設定を必要とするものの、データの分割・復号を自動処理するので、クライアントユーザーが意識することなく、すべてのデータを秘密分散技術で保護する。そのため、VDIやDaaSを置き換える手段になりえるが、ZenmuTechによると、「移行が面倒」「仕組みがよく分からない」などの理由から、VDIやDaaSを運用し続ける企業には浸透しなかったという。
一方で、同社によれば、VDI/DaaSの利用企業のうち、端末にシンクライアントを使っている割合が3割程度にまで下がっている。特にコロナ禍以降は自宅や外出先でのWeb会議が増えたのに伴い、シンクライアントの代わりに通常のノートPCをVDI/DaaSの端末として使うケースが増加しているとのことだ。
そうなると、「業務データやクライアントPCのリソースはサーバーやクラウドに格納し、ローカルにはデータやPCのリソースを置かない」という、シンクライアントを前提にしたセキュリティポリシーは有名無実化する。とはいえ、利用環境によって、インターネットに繋ぎにくかったり、繋げたとしても通信速度が遅い状況はよくあること。重要なデータはさておき、手元のPCにデータを格納するほうが利便性や効率性の面ですぐれるため、実態として、上述の利用動向になると思われる。
ZenmuTechは、このような場合に秘密分散技術が生きると判断。必要な機能に絞り込むことで、VDIやDaaSを置き換えるのではなく、それらを使い続ける企業があまり費用をかけずに、セキュリティ面での不安を払拭できるVirtual Drive ZLEの開発・提供に至った。
なお、Virtual Drive ZLEの月額500円は年単位での契約・購入となり、2025年9月30日までの期間限定で、有料オプションの初期導入支援を無料で提供する。