矢野経済研究所は2025年4月3日、国内のコールセンターサービス事業者が提供するAIサービスの市場規模と動向を調査した。オペレーター業務自動化ニーズの拡大から、2023年度の市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比120%の60億円、2024年度は同150%の90億円と推計している。
矢野経済研究所は、国内のコールセンターサービス事業者が提供するAIサービスの市場規模と動向を調査した。調査対象は、コールセンターサービス提供事業者、IT系BPO事業者、印刷系BPO事業者、事務系BPO事業者、コールセンター向けサービス提供事業者などである。2024年9月~2025年3月に研究員による直接面談(オンライン含む)とWebアンケート、文献調査を併用して実施した。
同社によると、コールセンターでAIサービスの実導入が始まったのは2018年頃だという。「その後のコロナ禍で、感染防止対策のためにオペレーターの稼働人数を減らす必要が生じ、オペレーター業務を自動化するニーズが高まり、コールセンターサービス事業者提供のAIサービス市場が大きく成長した」(同社)。

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行動制限が緩和されてからも、オペレーター人材が不足状態にあったため、オペレーター業務の自動化ニーズは引き続き拡大しているという。2023年度のコールセンターサービス事業者提供のAIサービスの国内市場規模(事業者売上高ベース)を前年度比120.0%の60億円と推計している(図1)。
2024年もコールセンターのオペレーター人材不足状態は変わらず、自動化ニーズの拡大が続いている。また、在宅勤務が一般的となり、企業がソーシャルメディアなどオンラインでエンドユーザーと接することが増えたことも、それと親和性の高いAIサービスへのニーズを拡大させているという。
さらに、生成AIに対する注目度が急速に高まり、コールセンター業務において生成AIを活用したサービスの導入を検討する企業が増加した。2024年度のコールセンターサービス事業者が提供するAIサービス国内市場規模は、前年度比150.0%の90億円になると推計している。
矢野経済研究所は、2025年度以降も同様の傾向が続くとし、「生成AIをコールセンターのフロント業務で活用する際に問題となるハルシネーションのリスクを管理する手法が確立されれば、AIサービスの導入はさらに増える」と指摘する。コールセンターサービス事業者提供のAIサービス国内市場は、2022年度~2028年度の年平均成長率(CAGR)が30.8%で推移し、2028年度の市場規模は250億円に達すると予測している。