[事例ニュース]

岡山県真庭市、業務システムをインターネット接続系ネットワークに配置、2025年秋に全庁で稼働

総務省策定の自治体ネットワーク「β’モデル」に移行

2025年4月21日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

岡山県真庭(まにわ)市は、業務システムをLGWAN接続系ではなくインターネット接続系ネットワークに配置するネットワークモデル「β'モデル」に移行した。2024年10月から試験運用を開始しており、庁内200台以上に導入済み。2025年秋に全庁で稼働する予定である。同市のプロジェクトで次世代ファイアウォールなどを提供するフォーティネットジャパンが2025年4月16日に発表した。

 岡山県真庭(まにわ)市は、岡山県の北中部、鳥取県と境を接するところに位置している。面積は県下自治体の中で最大である。また、地域通貨「まにこいん」が市民の55%、約2万3000人が利用するまでに浸透し、市民と行政の接点の役割も果たすなど、デジタル技術の活用にも非常に積極的である。2025年は、2021年に始動した「真庭市dx戦略計画」の最終年度にもあたるという。

 そんな同市が、フォーティネットジャパンの支援の下、業務システムをインターネット接続系ネットワークに配置するネットワークモデル「β'モデル」への移行に取り組んでいる。2024年10月から試験運用を開始し、庁内200台以上に導入済み。2025年秋に全庁稼働を予定している(図1)。

図1:岡山県真庭市のネットワーク構成。業務システムをインターネット接続系ネットワークに配置するネットワークモデル「β'モデル」に移行した(出典:フォーティネットジャパン)
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 従来のネットワーク「αモデル」では、他の地方自治体と同様、個人番号(マイナンバー)を扱う内部事務系、業務システムを動かすLGWAN接続系、インターネット接続系の3層を分離したネットワークを構築・運用してきた。インターネットを利用する際には、LGWAN接続系ネットワークに配置したシンクライアント端末からアクセスしていた。

 同市によると、業務端末をLGWAN接続系ネットワークに配置したαモデルでは、インターネットの閲覧やメール添付ファイルのダウンロードといった日常業務のたびにシンクライアントや仮想ブラウザを立ち上げる必要があり、リモートワークも困難になるなど、庁内業務に多くの制約と負担が生じていたという。

総務省が示す自治体ネットワークの「β’モデル」に着目

 一方で総務省は、2024年10月に地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを改定。利便性を高めてクラウドサービスを利用しやすくするネットワークモデルとして、セキュリティ対策を実施することを条件に、インターネット接続系に業務端末を配置するβモデルおよびβ’モデルを示している。

 β’モデルは、LGWAN接続系ではなく、インターネット接続系に主たる業務端末や文書管理、人事給与、財務会計などの業務システム(マイナンバー利用事務系を除く)を配置するモデルである。セキュリティの要求として、緊急時に即応可能な体制の整備といった組織的・人的対策のほか、情報資産単位でのアクセス制御、組織的なセキュリティ対策基準の順守、セキュリティの継続的な検知・モニタリング体制の構築などを課している。

●Next:β’モデルへの移行で得られたメリット

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