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出光興産、RAG構成の生成AIシステムを構築、競合製品分析や問い合わせ対応などに利用

2025年5月16日(金)IT Leaders編集部

出光興産(本社:東京都千代田区)は、先進マテリアル部門において生成AI/RAG(検索拡張生成)システムの利用を開始した。競合製品の分析レポート作成と製品の不具合に関する問い合わせサポートに利用している。システムは、Azure OpenAI ServiceやオープンソースのAIアプリ開発ツール「Dify」などを用いて短期間で構築した。システム構築を支援するウルシステムズが2025年5月15日に発表した。

 出光興産は、燃料油を中心に基礎化学品、高機能材、電力・再生可能エネルギー、資源などの開発・製造・販売を行う大手エネルギー関連企業である。

 社内で生成AIのワーキンググループを設置し、その価値の見極めや業務へのインパクトがある活用方法を探求している。なかでも社内外のデータを生成AIのナレッジベースにするRAG(検索拡張生成)に着目し、現業部門のデータを活用するシステムの開発に取り組んでいる。

 取り組みの過程で、同社の先進マテリアル部門がRAG構成の生成AIシステムをを構築。競合製品の分析レポート作成と製品の不具合に関する問い合わせサポートの両業務で利用を始めた。

 競合製品の分析では、インターネットや特許データベースで競合製品の情報を収集・分析し、開発予定の新素材の優位性などをレポートする。問い合わせサポートでは、顧客管理システムやクラウドストレージを検索し、類似する問い合わせや原因調査を洗い出す。

 先進マテリアル部門の生成AI/RAGシステムは、出光興産とウルシステムズが共同で構築した生成AI基盤上で運用している。同基盤は、Azure OpenAI ServiceをはじめとするMicrosoft Azureのクラウドサービス群、米LangGenius(ラングジーニアス)が提供するオープンソースのAIアプリ開発ツール「Dify」(画面1)、出光興産が保有する各種データソースとの連携ツールなどを用いて構築されたものである。

画面1:オープンソースのAIアプリ開発ツール「Dify」の画面例(出典:米LangGenius)
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 「この生成AI基盤を利用することで、自社固有のナレッジを活用したAIアプリケーションを短期間で開発できる。今回の取り組み以外にも、潜在的な市場機会の発見や知財関連業務の効率化など、創造力が問われる領域でも成果を上げ始めている」(ウルシステムズ)

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出光興産 / RAG / 生成AI / Azure OpenAI Service / Dify / ウルシステムズ / エネルギー

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