Exa Enterprise AIは2025年6月5日、日本の伝統的大手企業(創業30年以上かつ従業員数300人以上)を対象にAIの開発・導入状況を調査した結果を発表した。自社開発に平均3165万円を投じている一方で、300%以上の高いROIを達成できているのは2割未満(17.6%)だった。
Exa Enterprise AIは、日本の伝統的大手企業(創業30年以上かつ従業員数300人以上)を対象にAIの自社開発やツールの導入状況を調査した。2025年5月8日~10日にインターネットで調査し、対象企業に所属する410人から有効回答を得ている。
調査によると、生成AIを自社で開発している日本の大手企業は、平均3165万円を投資している。一方、300%以上の高い費用対効果(ROI)を達成できているのは2割未満(17.6%)にとどまり、十分な成果が出ているとは言い難い結果となった(図1)。

拡大画像表示
Exa Enterprise AIは、投資効果が出ていない主な要因として、3つの項目の結果を挙げている。1つ目は、自社開発した生成AIの実用化の状況を尋ねた項目の結果だ。自社開発のうち、実用化に至らなかったものがあるとの回答が7割(70.8%)を占め、その後に再開発した企業は2割(21.4%)にとどまっている。ここから、「実用化に至らないとAI活用の機運が失速する」という傾向を見ている(図2)。

拡大画像表示
2つ目として挙げたのは、常時追加改修が困難な企業は5割以上(57.7%)で、開発後に約3割(30.4%)が1年以上アップデートしていないという結果だ(図3)。「自社開発に投資した一方で、開発後のシステムが陳腐化してしまっている大手企業も多い」(同社)。

拡大画像表示
要因の3つ目として挙げたのは、自社開発において、成果が出たプロンプトを共有する仕組みがない会社が6割以上(66.8%)という結果だ。社内利用対象者全体から見たWAU(週次アクティブユーザー)の比率は平均33.2%で、WAUを把握していないという企業も3割(33.2%)だった(図4)。

拡大画像表示
●Next:生成AIのSaaSを導入した企業の実態
会員登録(無料)が必要です
- 1
- 2
- 次へ >