アイ・ティ・アール(ITR)は2025年6月19日、国内のマイクロセグメンテーション市場における規模の推移と予測を発表した。マイクロセグメンテーションは、内部ネットワークを複数のセグメントに細分化し、セグメントの隔離やアクセスの制御などを行うセキュリティ技術・製品分野である。2023年度の売上金額は前年度比32.9%増の39億6000万円で、2024年度も急拡大が続き、前年度比28.8%増の51億円を予測している。
アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のマイクロセグメンテーション市場における規模の推移と予測を示した。マイクロセグメンテーションは、内部ネットワークを複数のセグメントに細分化し、セグメントの隔離やアクセスの制御などを行うネットワークセキュリティ技術・製品分野である。
2023年度の売上金額は前年度比32.9%増の39億6000万円で、2024年度も急拡大が続き、前年度比28.8%増の51億円を予測している。2023~2028年度の年平均成長率(CAGR)を13.9%、2028年度の売上金額を75億8000万円と予測している(図1)。

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市場成長の要因として、ネットワーク内に侵入したマルウェアの水平移動を指すラテラルムーブメント(Lateral Movement)による拡散を阻止する製品の需要拡大を挙げている。金融庁が2024年10月に公表した「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」では、望ましい対応として「ネットワークセグメントを細分化し、ラテラルムーブメントを阻止することなどにより、サイバー攻撃の被害拡大防止を図る」旨が推奨されている。ITRは同ガイドラインが、マイクロセグメンテーション製品の金融業界における導入増と市場の拡大を後押していると見ている。
同社コンサルティング・フェローの藤俊満氏は、「PCやサーバーなどのデバイスを仮想的に孤立させ、マルウェアが他のPCやサーバーに横方向に感染拡大するラテラルムーブメントを防ぐ。従来、これに有効な対策製品はなかった。マイクロセグメンテーションはマルウェアの感染拡大を防ぐ有力なツールであり、今後市場は大きく拡大する」とコメントしている。
今回の発表は、市場調査レポート「ITR Market View:エンドポイント/セキュアブラウザ/マイクロセグメンテーション/無害化/CNAPP/DSPM/XDR市場2025」に基づく。同レポートは、EPP(エンドポイント保護)、EDR(エンドポイント検知・対処)/XDR(拡張検知・対処)、NGAV(次世代ウイルス対策)、セキュアブラウザ、エンタープライズブラウザ、マイクロセグメンテーション、メール無害化/ファイル無害化、CNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護基盤)、DSPM(データセキュリティ動態管理)の全9分野を対象に、国内48ベンダーへの調査から2022~2023年度売上実績および2028年度までの売上予測を掲載している。