[事例ニュース]
旭川市の花本建設、オフコンの会計システムを建設業向けクラウドERPで刷新、仕訳業務を省力化
2025年7月23日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三
花本建設(本社:北海道旭川市)は、オフコンベースの会計システムをクラウドERPで刷新した。内田洋行ITソリューションズの建設業向けクラウドERP「PROCES.S」を導入して仕訳業務の省力化、属人化解消を図っている。同社によると、総務部全員の会計業務スキルが向上し、有給休暇を取得しやすくなる副次的な効果も得られたという。内田洋行ITソリューションズが2025年7月22日に発表した。
花本建設は、北海道旭川市に本社を置く創業75年の建設会社である。土木・舗装工事、外構・エクステリア工事を主軸にしながら、環境に配慮した資源リサイクル事業や農業土木工事、トマトの栽培・加工など、建設業にとどまらない広範な事業を展開している。
同社は長年、自社専用に開発したオフコンベースの会計システムを運用していた。同システムでは、手書きで仕訳伝票を作成した後に入力が発生するなど、手間のかかる運用が常態化していた。「会計年度をまたいでデータを閲覧することができなかったり、法改正のたびに改修費用が発生したりと、業務面・コスト面での課題を抱えていた」(同社)という。
そこで、業務効率化と法改正対応業務の負荷軽減を目的に、内田洋行ITソリューションズの建設業向けクラウドERP「PROCES.S(プロセス)」を導入した。建設業会計を中心に、原価管理、支払・請求・入金管理、JV(共同企業体)管理、給与・労賃管理など建設業の事務処理に必要な機能を網羅している(図1)。

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PROCES.Sのカスタマイズ性を評価している。工事原価明細表の費目は、標準で「労務費」「外注費」「材料費」「その他」に分類可能だが、花本建設では、「その他」を膨らまらないように、カスタマイズで「通信費」や「事務用品費」などを含む約20費目に分類している。発注者別一覧表もカスタマイズで開発しており、公共工事の受注が多い同社において、発注者(官公庁)ごとに工事一つひとつの入金状況を一覧できるようにしている。
ERPの導入成果として花本建設は、「総務部の全員が仕訳をはじめ会計に強くなった」ことを挙げる。「以前は労賃の担当者は労賃管理システムのみ、原価管理の担当者は原価管理システムのみを扱っていた。自身の業務以外はあまりよく分からなかった」(同社)。それがERP導入後は、労賃や原価管理など全基幹業務をPROCES.Sに一本化して会計の全体像を把握できるようになり、それぞれの業務精度が向上したという。