[市場動向]
"大は小を兼ねない"─オラクルが中堅中小向けクラウドERP「NetSuite」を強化し続ける理由
2025年8月12日(火)愛甲 峻(IT Leaders編集部)
日本オラクルは2025年7月23日、年次プライベートイベント「SuiteConnect Tokyo 2025」を開催し、クラウドERP「Oracle NetSuite」の特徴や最近の新機能などを紹介した。不確実性の高まりに対するクラウドERPの強みや、Oracleプラットフォームとの連携がもたらすメリット、AI機能を含む日本市場向けの機能拡充や新サービスなどをアピールしている。併せて、NetSuiteのユーザーであるJVCケンウッド、トリドールホールディングス、ちん里う本店のキーパーソンが登壇し、それぞれの導入プロジェクトを紹介した。
Oracleプラットフォームとの連携で中小・成長企業に最新のAIを提供
米オラクルの「Oracle NetSuite」は、グローバルで4万2000社が利用するクラウドERPである。SaaS黎明期の1998年に米NetSuiteが提供を始め、オラクルは2016年に同社を買収している。日本市場への進出は2005年で、2025年は20周年にあたる。
為替の乱高下や地政学的リスク、規制・政策の変動、サプライチェーンの混乱など、さまざまな外部要因が事業の不確実性を高めている。年次プライベートイベント「SuiteConnect Tokyo 2025」の基調講演に登壇した、日本オラクル 執行役員 NetSuite事業統括 日本代表 カントリーマネージャーの渋谷由貴氏(写真1)は、日本の顧客に共通するトレンドの1つに、変化に強い強固な基盤を求める声の高まりを挙げた。
写真1:日本オラクル 執行役員 NetSuite事業統括 日本代表 カントリーマネージャーの渋谷由貴氏渋谷氏は、環境変化にすばやく対応するために、各業界をリードする標準的な業務プロセスを求める組織が増えていると指摘。「クラウドベースのNetSuiteは、新たな機能やプロセスを容易に取り入れられる」とし、業界別のベストプラクティスを導入するためのサービスも充実している、とその優位性を強調した。
同じく重要なトレンドであるAI活用については、NetSuiteは特にシステムへのシームレスな統合に注力していると渋谷氏。多くの組織がAIの活用法に悩む中、後付けではなくあらかじめ組み込んでおくことで、円滑なAI活用を後押しする狙いだ。「意識せずに使えて、気づかないうちに成果を出すのが価値のあるAIだ」(同氏)。
NetSuiteにおけるAI機能は、オラクルの「OCI(Oracle Cloud Infrastructure)」や「Oracle Autonomous Database」を基盤として構築されている。同社 取締役 執行役 社長の三澤智光氏(写真2)は、「NetSuiteのユーザーはアップグレードだけで最新のAIを利用できる」とアピールした。
写真2:日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏オラクルの業務アプリケーションには、「Oracle Cloud ERP」や「Oracle Cloud SCM」など大企業向けの「Oracle Fusion Cloud Applications」もあるが、「大は小を兼ねない」が基本戦略であると三澤氏。NetSuiteはコストを抑えてすばやく導入したい中小・成長企業に最適であると同時に、コンパクトで展開が容易なことから、世界中の拠点にERPモジュールを配布するような大企業にもマッチするという。性質の異なる2つのERPで「顧客を全方位的に支援する」と語った。
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