一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)は2026年5月13日、国内の生成AI製品・サービス・事例情報を収録した「生成AI活用事例データベース」の直近事例472件(2025年10月~2026年3月)を分析した結果を発表した。生成AIの活用が業務単位の効率化にとどまらず、業務プロセスや組織体制そのものを見直す段階へ移りつつあることが明らかになった。
一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)は、国内の生成AI製品・サービス・事例情報を収録した「生成AI活用事例データベース」をWebサイトで公開している(関連記事:国内1000件の事例や製品を収録した「生成AI活用事例データベース」を公開─生成AI活用普及協会)。
画面1:「生成AI活用事例データベース」の画面(出典:生成AI活用普及協会)拡大画像表示
公開情報(各企業・団体が発信しているニュースリリース)を基にした各社の取り組みの内容を、GUGAの協議員の査読を経て公開している(画面1)。事例の数は、2025年9月の公開開始時点で1008件(調査期間は2024年5月~2025年8月)だった。現在は、2026年3月までの調査を反映した1551件を載せている。
今回、直近の2025年10月~2026年3月までの事例472件を分析した結果を明らかにした。「生成AIの活用が業務単位の効率化にとどまらず、業務プロセスや組織体制そのものを見直す段階へ移りつつあることが明らかになった」(GUGA)としている。
顕著な変化は、AIエージェントの位置付けである。前期(2025年4月~2025年9月)は、体験会やPoC、構想発表といった初期段階の取り組みが多かった。これに対して今期は、営業分析や融資業務、財務会計、開発工程、顧客対応など、個別の業務フローに組み込む事例が増えた。
GUGAは「AIエージェント活用が、試してみる段階から、どの業務にどう組み込むかを問う段階へと移ってきた。単なる対話機能としてではなく、情報収集、整理、一次処理、判断材料の作成といった業務の前工程を担う用途がより具体化してきた」と指摘する。
並行して、生成AIを安全かつ継続的に使い続ける動きも増えた。業務特化型のLLM、オンプレミス環境、専有環境、ガバナンス設計といった観点で、実務に組み込むための利用環境や運用条件の整備が重要性を増した。GUGAは「導入できるかを問う段階から、どの環境なら安定して使い続けられるかを整える段階へと進みつつある」と指摘する。
活用範囲も広がった。従来は現場の担当者が自発的に工夫する形が多かったが、今期は社内研修や勉強会、認定制度を通じて、組織として支える取り組みが広がった。導入そのものよりも、現場で継続的に活用できる人材と運用の土台をどう整えるかが論点になりつつある。
なお、今期の事例472件におけるキーワード出現数と傾向は、表1の通りである。
| 順位 | キーワード | 出現件数 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 1位 | AIエージェント | 64件 | 構想や試行にとどまらず、営業、融資、会計、開発、顧客対応など、個別の業務フローに組み込む事例が増加 |
| 2位 | LLM | 37件 | 業務特化型や国産モデルを含め、実務適用を前提とした活用が広がり、基盤選定の重要性が高まる |
| 3位 | 音声 | 27件 | コールセンター、議事録、医療記録、案内業務など、実際の接点や現場に近い場面での活用が拡大 |
| 4位 | 人材育成 | 14件 | 講義、研修、認定制度、全社施策など、生成AI活用を組織内に広げるための取り組みが進展 |
| 5位 | チャットボット | 14件 | 特に自治体・公共分野で、住民案内や問い合わせ対応の実装が進む |
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