三菱電機ビルソリューションズ(本社:東京都千代田区)は2026年3月26日、昇降機(エレベーター・エスカレーター)の作業現場における労働災害を未然に防ぐことを目的に、KY活動(危険予知活動)を支援するモバイルアプリケーションを自社開発したと発表した。2026年4月から順次全社に導入する。
三菱電機ビルソリューションズは、すべての現場作業で、労働災害を未然に防ぐための安全活動であるKY活動(危険予知活動)を行っている。作業前に潜在的な危険を予測し、危険を回避するための対策と行動目標を作業者全員で共有している。
しかし、若年層や経験の浅い作業者は潜在的なリスクに気づきにくい。一方、ベテラン層はKY活動が形骸化しやすい。こうした課題を解消し、誰もが質の高いKY活動を実施できる仕組みを構築するため、AIを活用したKY活動支援アプリケーションを開発した(図1)。
図1:三菱電機ビルソリューションズが現場に導入したKY活動支援アプリケーションの概要(出典:三菱電機ビルソリューションズ)拡大画像表示
開発したアプリケーション(社内での名称は「KY-Support」)は、生成AI「Amazon Bedrock」が作業マニュアルや過去の災害事例を参照し、個々の作業に特有の潜在的なリスクを提示する。作業者が作業現場で考える行動目標に対しても、AIがその場でアドバイスする。
アプリケーションは、現場での機動性を重視し、スマートフォンに特化した操作性を採用した。音声入力やタップ操作など片手で操作できるようにしたことで、簡単にKY活動の実施や記録が行えるとしている。
全社導入に先立って実施したトライアルでは、AIによる潜在的リスクの網羅率が9割を超えた。利用者へのアンケート調査においても、AIのアドバイスが「参考になった」、アプリが「役立つ」、「安全意識が向上した」との回答がいずれも9割を超えた。
機能面での特徴の1つは、KY活動の基本手法である「4ラウンド法(現状把握・本質追求・対策樹立・目標設定)」のステップを再現したこと。画面の案内に沿って操作するだけで、ステップを省略することなく確実にKY活動を実施できるとしている。
- 現状把握:工事内容もしくは名称や機種情報を選択すると、AIがその作業で予想できる危険を10分類で提示する。過去の災害事例も参照し、作業者の「気づき」を補完する
- 本質追究:AIが潜在リスクを提示し、作業者自身が最も重要な項目を判断・選定したうえで、行動目標を作成する
- 対策樹立:作業者が音声などで入力した行動目標(例:~する時は~をして~しよう)に対し、AIが安全上の観点から妥当性をチェックする。「表現が具体的でない」、「この観点が抜けている」といった改善アドバイスをリアルタイムで行い、実効性のある対策へと導く
- 目標設定:決定した行動目標に基き、指差し呼称(タッチアンドコール)に適した文言をAIが自動生成する。画面上の「ヨシ!」ボタンをタップしながら発声確認することで、安全意識を高めるとともに、実施記録として自動保存する
三菱電機ビルソリューションズ / KY活動 / 生成AI
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