インシデント管理プラットフォームベンダーの米PagerDutyは2026年4月16日、説明会を開き、AIオペレーション戦略や新機能を紹介した。同日開催の年次コンファレンス「PagerDuty Tour in Tokyo 2026」に合わせて、CEO兼会長のジェニファー・テハダ氏ら幹部が来日、AI時代のオペレーション変革と日本市場への長期投資方針を示した。説明会の後に行った、プロダクト担当VPのノラ・ジョーンズ氏、エンジニアリング担当VPのマヌ・グルダタ氏、日本法人 代表取締役社長の山根伸行氏へのインタビューと併せて、同社の強みと戦略を詳しく見ていく。
システム障害を前提に、AIを取り入れた回復力の構築へ
2009年にカナダ・トロントで創業したPagerDuty(ペイジャーデューティ)は、システム障害の発生を担当者に即座に通知するオンコールツールでビジネスを開始し、現在は検知・トリアージ・復旧・学習までをAIで統合したプラットフォーム「PagerDuty Operations Cloud」を提供する。ユーザーはグローバル3万5000社超、100万人以上に上る。
PagerDuty CEO兼会長のジェニファー・テハダ(Jennifer Tejada)氏(写真1)は、開発者らがコードに責任を持つDevOps、クラウド普及で企業全体の管理が求められたDigitalOps、そしてAIがインシデント対応を担うAIOpsへという変革の流れを示しながら、同社を「AIオペレーションの信頼レイヤー」として再定義した(図1)。「完璧な人間も、完璧なソフトウェアも、完璧なシステムも、完璧なAIも存在しません。失敗は避けられない。失敗にどう対処し、そこから学び、その学びを通じていかに強くなるか——それがエンタープライズ・レジリエンスにつながる」と述べ、障害を前提とした回復力の構築こそが同社の本質的な価値だと訴えた。
なお、テハダ氏の役職は、2026年4月16日時点のもの。5月11日(米国現地時間)付でCEOを退任し、取締役会会長に就任している。
写真1:PagerDuty CEO 兼 会長 ジェニファー・テハダ氏
図1:オンコール管理からAIエージェントへ進化するPagerDuty(出典:PagerDuty)拡大画像表示
AI連携基盤では、Model Context Protocol(MCP:AIエージェント間の共通インタフェース規格)サーバーを軸に米Anthropicの「Claude」など30パートナーとの連携を発表。テハダ氏は、「AIが日本経済にとって非常に良いものになると信じている」と語り、日本市場へのコミットメントを強調した。
●Next:日本の導入企業が上げる着実な成果、インシデントオペレーションの中枢を担うAIエージェント
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