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ITベンダーのHCNET、問い合わせ管理システムを「Zendesk」で刷新、生産性が40%向上

2026年8月17日(月)IT Leaders編集部、日川 佳三

ITベンダーのエイチ・シー・ネットワークス(HCNET、本社:東京都台東区)は、顧客のネットワークインフラ保守の問い合わせ管理にクラウド型ヘルプデスクツール「Zendesk」を活用している。2023年に同ツールを導入したことで、ExcelやOutlookによる従来の管理体制を刷新し、対応件数あたりの生産性が約40%向上したという。Zendeskが2026年8月17日に発表した。

 エイチ・シー・ネットワークス(HCNET)は、ネットワークやセキュリティなどの統合ITインフラを提供するITベンダーである。システムの提案から構築、運用・保守までを担うSI事業のほか、自社製品の開発・販売も行っている。

 同社はネットワーク製品をマルチベンダーで取り扱い、官公庁や公共機関などのインフラを支えている。月間約350件の問い合わせがあり、製品故障判定後は4時間以内に現地へ駆けつけるSLO(Service Level Objective:サービスレベル目標)を設けている。チケット1件あたりの平均コメント数は20回、他ベンダーや社内担当者、協力業者とのやり取りを含めると30件を超える。1年以上オープンしたままのチケットも珍しくないという。

 数年前、取り扱い製品と問い合わせ先のベンダーが増える中で、HCNETの従来型の管理体制に限界が近づいていた。当時はOutlookでのメール管理、Exceによる引き継ぎメモ、受付番号発行システムと履歴管理システムを併用して大量の問い合わせに対応していた。同社テクニカルサービス本部カスタマーサービス部第二グループマネージャーの三島航氏は、「Outlookは複数メンバーでのメール対応を前提としてなく、問い合わせの進捗などのステータスを共有できていなかった」と振り返る。

 シフト制の交代要員への引き継ぎもExcelでの記載に頼っていたため、緊急性を踏まえた優先度の判断ができなかった。また、受付番号発行システムは老朽化によって、年に数度停止し、受付番号の発行や顧客への自動通知が止まるありさまだった。同社カスタマーサービス部長の足立敦一氏によると、「ひどいときだと、初回対応までに1~2日かかっている問い合わせがあった」という。

 2023年、クラウド型のヘルプデスクツール「Zendesk」(画面1)の導入を決め、一部のサービスから段階的にに移行した。問い合わせ1件のクローズに数週間から数カ月を要する特性上、旧システムとの並行運用を約1年間続けた。

画面1:エイチ・シー・ネットワークスが問い合わせ管理に使っているZendeskの画面(出典:Zendesk)
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 導入がもたらした最大の変化として、手付かずのまま残っているオープンチケットを、その日のうちにゼロにする運用が定着したことを挙げる。以前は翌日まで積み残すこともあったが、Zendesk導入後は意識しなくてもすべてのオープンが必ずクリアになる運用が実現できている。担当者全員が優先度をビュー画面で確認・共有できるようになったことで、緊急度の高い問い合わせの見落としもなくなったという。

 導入時17人体制のチームは現在15人に減ったが、月間の問い合わせ件数は300件から400件の規模に近づきつつある。人数を減らしながら対応件数は増えており、対応件数あたりの生産性は約40%向上した。

 そうした効率化を支えているのが、対応が必要なチケット数や優先度、ベンダー返信待ち件数、対応期限切れ件数を一覧できるビュー機能と、300以上に上る問い合わせ先ベンダーの連絡先をベンダー名の入力だけで呼び出せるマクロ機能である。

 懸案の初回応答も改善した。すべての問い合わせに1時間以内で応答する目標に対し、Zendeskの分析機能を使って目標から逸脱したチケットを毎月抽出して原因を振り返っている。個別の振り返りによって原因の特定が早まり、毎月の改善につながっているという。

 HCNETは今後、「Zendesk AI」の自動要約機能による担当者の支援を検討する。経験の浅い担当者でも複雑な問い合わせを早く理解できることを目指す。将来は、AIによる優先度・重要度の自動トリアージや、顧客の感情面を検知して管理者に自動通知する仕組みの実現を視野に入れる。

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