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NEC、「探索型業務」の遂行状況を可視化する技術を開発

2008年10月7日(火)IT Leaders編集部

NECは2008年10月3日、複数の作業者が業務を遂行しながら業務課題やタスクを具体化・詳細化していくような探索的な業務において、その遂行状況や課題を可視化し、問題の発生を未然に防ぐ「探索型業務管理技術」の開発について発表した。

今回発表された技術は、探索的な業務を遂行する際に、作業者の自律的な業務遂行を妨げることなく業務管理者に対してその遂行状況を「見える化」し、製造現場を中心に普及が進んでいる「見える化→問題の顕在化→改善」という業務改善サイクルを、探索的な業務が多いホワイトカラーの職場にも適用可能にするもので、業務遂行時の問題発見の遅れや漏れの発生を未然に防ぎ、組織の作業効率を向上させることが期待されている。

同社によれば、従来、業務の進捗管理に用いられてきたプロジェクト管理ツールは、管理者が業務全体の課題や遂行状況を一括管理する「集中型業務管理モデル」に基づくもので、管理者による状態把握が容易な定型業務や、事前の詳細計画が可能な業務で有効だった。

一方、新商品開発や顧客対応といった探索型の業務は、事前の作業予測が困難なことが多く、業務を進める中で状況に応じて業務を具体化・細分化し、関係者との連携を図っていくことが必要となる。そのような場合には、最前線の業務遂行者自身がToDo管理ツールなどを使用して自律的に業務課題を明確化し、遂行状況を管理する、「分散型業務管理モデル」が用いられる。ただし、その場合、作業者の業務の進め方がブラックボックス化され、問題の発覚が遅れがちになるという課題がある。また、集中型と分散型、2つの管理モデルを併用する方法では、個々の作業者は二重に管理されることになり、作業者が業務を追いきれずに課題の一部が管理項目から漏れる、その状況が発覚しにくい、といった別の問題が発生しやすくなる。

今回の「探索型業務管理技術」は、分散型と集中型を融合させた「分散・集中融合型業務管理モデル」に基づいており、以下のような利点があるという。

  1. 業務プロセス構造の動的管理:作業者が自律的に業務遂行する過程で発生する課題(タスク)やそこから派生するサブタスクを後から追加可能な管理モデルを採用したことで、事前計画が困難な探索型業務にも対応。分散型モデルによる作業者の自由度の高さを保ちながら、関係者がサブタスクの内容や遂行状況を確認することもでき、問題発見の遅れを未然に防ぎやすくなる。
  2. 「場」の概念を導入:業務遂行者が情報共有を行うための「場」の概念を管理モデルに導入し、刻々と変化する業務プロセスやその遂行状況を業務軸で集中的に把握可能にする。業務課題が次々に発生する状況でも、担当者が割り当てられていないなどの問題を管理者が把握できるので、業務遂行の漏れを解消できる。
  3. 業務横断的なタスクの可視化:作業者が担当するタスクやサブタスクを業務横断的に把握するためのビューによって、個人がその時点で優先して実行すべき作業を判断可能にする。また、場のタスクと個人のタスクを融合して管理することで、他の作業者の業務遂行状況に基づく個人の作業優先度判断にも対応。作業者が複数の業務を並行して進めている場合に、他の作業者が待ち状態にならないように優先すべき作業を決めるなど、組織全体の業務効率を考慮した優先度判断が可能になる。

「場-タスク(サブタスク)-作業者」という概念に基づいた「分散・集中融合型業務管理モデル」の導入によって、従来は困難であった探索型業務の遂行状況の集中的な把握と、自律的な実行タスクの適切な優先度判断が可能になったという。今後、企業の知的生産業務の管理ツールとして今回の技術の早期実用化を目指すとともに、SNSなど他のサービスとの連携も視野に入れ、企業内での業務の過程や成果情報を管理・共有・活用するサービスとしてのソリューション化を目指すとしている。

NEC
http://www.nec.co.jp/

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