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使いやすさ、柔軟性、低価格を売り物にマイクロソフトが「Dynamics AX2009」を発表

2009年3月25日(水)IT Leaders編集部

業務生産性の向上(使い勝手の良さ)、変化対応、多通貨などグローバル化といった特徴を売り物に、マイクロソフトはERPパッケージの新版「Dynamics AX2009」を発表した。ExcelやSQL ServerのBI機能との連携も特徴の1つ。売上高50億円〜500億円規模の中堅企業、あるいは大企業の部門向けに、価格の安さをアピールしつつ売り込む考えだ。

製品概要

2007年6月発売の「Dynamics AX2007」の後継版。2007版は「マイクロソフトがERPパッケージに参入!」などと鳴り物入りでの登場だったが、どちらかといえば個別業務パッケージの集合体というイメージが強かった。新版の2009では、カバーする業務範囲を拡大したほか、データ分析やワークフロー、コンプライアンス関連の機能を拡充。ERPパッケージの体裁を整えた(図)。必要な機能を選択して利用できる。

製品の特徴

マイクロソフトがアピールする特徴は、(1)Office製品と同じ「リボン」インタフェースによる業務生産性(使い勝手)の向上、(2)ワークフローエンジンやSOA技術による業務変化への対応、(3)多言語/多通貨など36カ国の国別要件を標準搭載、(4)電子署名、文書監査などによるコンプライアンス管理、の4点。

このうち(1)は「定型業務でリボンインタフェースが必要か」という点で、意見が分かれるところ。むしろ、図中の「ロールセンター」が提供するポータル画面の方が価値が高そうだ。これは会計担当者や生産担当者、販売担当者といった利用者の役割に応じた画面を提供する機能。必要な入力/承認や、常時見ておくべき集計データなどを1つの画面上に同時表示する。(3)ではIFRS(国際会計基準)にも対応する。

このほかの特徴としては「物理的にデータベースを一元化している」こと。ERPの基本とされる「ワンファクト・ワンプレース」を実現しやすくなる。導入時の追加開発にも考慮。帳票開発用テンプレートを多数用意するほか、「X++」という開発言語もある。

少し細かいが、財務データに「分析コード」と呼ぶ属性を追加できるのも、特徴の1つだろう。仕分け入力の際に、部門名や目的などを入力させるようにすることができ、詳細な分析がしやすくなる利点がある。

価格・販売方針

DynamicsAX2009には、会計や販売のみの「Business Essentials Edition」と、フル機能の「Advanced Managment Edition」がある。前者の価格はサーバーライセンス、同時使用ユーザーライセンスともに27万10円。後者は同じく47万7545円。ユーザーライセンスには数量割引があるほか、「最大ユーザー数ではなく、同時使用ユーザーとすることで価格を抑えた。平均的なケースで、ライセンス費用は2000万円〜2500万円程度」(マイクロソフト)。

販売はパートナー経由。横河ソリューションズ(プロセス製造)、テクトラジャパン(アパレル業界)、日立製作所(グローバル展開)など、18社がパートナーとなっている。後発だけに個別業種向けのソリューションテンプレートの少なさが課題だが、「パートナーと協力して急ピッチで充実させる」(同)計画だ。

DynamicsAXの構成
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