日本ヒューレット・パッカード(HP)は2009年2月24日、UNIXサーバー「HP Integrityサーバー」の事業戦略を発表した。戦略の柱は、他社製UNIXからの移行支援である。移行準備から新サーバーでの動作テストまで支援するサービスを提供。米サン・マイクロシステムズのSolarisや米IBMのAIXからHP-UXへの乗り換えを促し、主にIntegrityの最上位モデル「Superdome」とブレードサーバー「BLシリーズ」の導入を加速する。
ユーザー企業の間ではIT投資を抑制する動きがある。Integrityの新規導入案件も「昨年夏以降は減っている」(HP関係者)。そんな状況下で、「ITコスト30%削減」を旗印に、案件開拓を図る考えだ。
日本HPは同日付で、約60人のエンジニアや営業担当者で構成する移行推進チームを設置し、移行支援サービスを開始した。特にSolarisからの移行を目論み、TCO削減効果をユーザー企業ごとに分析する「Solaris Migration Center」も設けた。
移行支援サービスでは、既存アプリケーションのソースコードを解析して移行難易度を判定したり、ソースコードをコンパイルしてHP-UXに移植したりする。運用効率やサーバーリソースの使用効率が高いシステム構成にすることで、移行後2〜3年でITコストを30%削減できるという。
移行支援サービスの料金は、移行難易度を判断する「アセスメント」と、HP-UX向けにコンパイルする「移行作業」が、ソースコード50万行までのアプリケーション1件で各210万円から。データベース移行の場合、アセスメントの料金はテーブル数50個規模で500万円からなど。日本HPは数千万円規模の案件を中心に、今後1年で30件の受注を見込む。