日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2009年6月4日、東京システムハウス(TSH)の協力のもと、無停止サーバーソリューション「HP Integrity NonStopサーバー」(以下、NonStopサーバー)を活用した新たなメインフレーム移行(MFA)ソリューションを発表した。このソリューションは、TSHのマイグレーション専用ミドルウェア「AJTOOL」を利用してメインフレーム上のアプリケーション環境をNonStopサーバーへ短期間・低コストで移行し、スムーズなMFAを支援するもの。
MFA支援で多くの実績をもつTSHのミドルウェア「AJTOOL」が、日本HP「NonStopサーバー」に対応し、この両製品の組み合わせによって、メインフレーム向けにスクラッチ開発された環境をほぼそのまま「NonStopサーバー」へリホスト(乗せ換え)することが可能となった。同社によれば、従来の一般的な手法であるリビルド(再構築)での移行に比べてMFAのコストを平均50%(TSH実績)削減できるという。
「AJTOOL」は、COBOL、JCL、画面定義、帳票、運用監視といったメインフレーム上のシステムの各要素を、オープンシステム上で結合するためのミドルウェア群の総称。東京システムハウスのMFAサービスにおける14年以上の経験に基づき、お客様のニーズに合わせて機能拡張されており、様々なノウハウが凝縮されている。「AJTOOL」の主な特長は以下のとおり。
- 既存資産の有効活用:ユーザーが長年にわたり構築してきたシステム資産を継続利用できる。また、業務プロセスの変更を伴わないため、ユーザーの負担を最小限に抑える。
- 短期間&低コスト:既存資産の利用により、要件定義、設計フェーズで約20~30%、製造・テストフェーズでは約40~50%の工数削減ができるため、短期間に低コストで移行できる。さらに、アプリケーションや業務の規模が大きく、複雑であるほど、再構築より移行の効率が良くなる。
- 低リスク:既存資産を流用するため、再構築と比較し移行トラブルのリスクを低減できる。システムの中身がブラックボックス化していても、そのままオープン化が可能。
「NonStopサーバー」は、既存のメインフレームの置き換え、受発注、決済、データ管理などのビジネスの基幹を担うシステム、またサービス統合バス(サービス提供の根幹を担うシステム)などの用途に数多くの実績がある。その特長は以下のとおり。
- 単体のサーバーで、メインフレームと同等もしくはそれ以上の運用継続性を備えた「無停止」サーバー。
- 全体のコストを抑えつつ、ミッションクリティカルなシステムが構築可能。
- オンライン(無停止)でハードウェアの増設、交換、ソフトウェア設定変更などを行える。
- クレジットカード決済、携帯電話メッセージインフラ、企業間EDIシステムなど35年にわたる数多くの実績をもつ。
- ANSI、POSIX等の業界標準APIを備えており、容易にアプリケーションを開発できる。
日本HPは、同ソリューションを以下2つの施策により展開し、今後1年間でNonstopベースのMFAビジネスの規模を倍増させることを目指す。
- パートナー各社と協調し、「NonStopサーバー」と「AJTOOL」の組み合わせを各社のサービスと共に販売推進
- 日本HPがEDSジャパンと共同展開しているモダナイゼーションサービスに本ソリューションを組み込み、NonStopサーバーへの移行支援サービスを拡充
日本ヒューレット・パッカード
http://welcome.hp.com/country/jp/ja/welcome.html
東京システムハウス
http://www.tsh-world.co.jp/