[新製品・サービス]
日立、SOAプラットフォーム「Cosminexus V8」を機能強化、仮想サーバーの設定・配置支援など
2010年1月28日(木)IT Leaders編集部
日立製作所は2010年1月27日、SOAプラットフォーム/アプリケーションサーバー「Cosminexus V8」の機能を強化し、1月28日から販売を開始すると発表した。日立クラウドソリューション「Harmonious Cloud」におけるシステム基盤を担う「Cosminexus V8」は、クラウド時代の変化に即応した迅速・確実なシステム構築を実現するため、仮想化対応やシステム開発生産性向上に関する機能が強化・拡充された。
仮想化システムにおいて、複数の仮想サーバー上に配置した業務アプリケーションを、運用に応じて適宜変更するような複雑な環境下でも、確実・柔軟に業務を実行できるシステム構築が望まれている。また、システム間連携が年々多様化し、既存システムと新システム間の接続をいかに迅速に実現するかなどが課題になっている。今回、日立製作所の「Cosminexus V8」では、これらに対応する各種機能の強化を図っている。
トピックとして、Cosminexus V8のアプリケーションサーバーソフト「uCosminexus Application Server」に、仮想サーバーの設定・配置を容易にする機能を持たせた。仮想サーバーのアドレスや負荷分散に必要なパラメータを自動で設定し、複数の仮想サーバーを業務アプリケーション単位で一括構築する。仮想サーバー1台ごとに設定する場合に比べ、設定に要する時間を最大10分の1に短縮できるという。
さらに、物理/仮想サーバーと業務アプリケーションの構成を関連付けて管理する機能を同ソフトに実装し、仮想環境の運用効率を高めた。複数の仮想サーバー上で稼働する業務アプリケーションの起動/停止を一括で操作できる。個々の仮想サーバーに対して操作をする手間がなくなる。
Cosminexus V8の機能強化の概要は次のとおり。
仮想化対応の強化
- 一括環境設定機能をサポート
アプリケーションサーバ製品「uCosminexus Application Server」において、仮想サーバを業務アプリケーション単位で一括構築し、さらに各仮想サーバのアドレスやロードバランス(負荷分散)設定など、各種環境パラメータ設定を自動で行う機能が新たにサポートされた。これにより、業務アプリケーションが複数の仮想サーバ上に配置され実行されるシステムの構築時に、従来は仮想サーバの環境設定スクリプトを複製したのち、仮想サーバ1台ごとに業務アプリケーションの環境設定をしなければならなかったが、今回その環境設定時間を従来比で最大1/10に短縮できるようになった。 - 業務アプリケーション運用支援機能の強化
「uCosminexus Application Server」では、物理/仮想サーバ/業務アプリの対応構成を可視化することにより、運用操作対象となる業務アプリケーションを指定するだけでアプリケーションの起動/停止などの操作が可能になった。これにより、従来の運用操作時間を最大1/3に短縮したほか、同社の統合システム運用管理「JP1」との連携により、業務アプリケーションの日次運用のスケールイン/アウトや週次運用の起動・停止などのスケジューリングも可能となった。また、「Cosminexus V8」で従来からサポートしているFullGC(未使用メモリを自動的に解放するJavaVMの処理)レス機能も強化された。「Cosminexus」が独自にメモリ管理対象とするオブジェクトの範囲を拡張し、プログラミングレスで簡単・確実なFullGCレス対応が可能になった。
システム開発生産性の向上
- システム間接続機能の強化
SOA実行基盤製品「uCosminexus Service Platform」では、既存のメインフレームやトランザクション制御システムから新規業務システムへの連携を「サービスバス」で容易にした。また、「SAP ERP6.0」と新業務システム間をWebサービスで接続できるようにしたことで、これらのシステム間接続工期が従来比で最大50%短縮された。 - 大量データバッチ処理基盤構築の迅速化
「uCosminexus Service Platform」では、大量のメッセージ処理が可能な「サービスバス」や各種アダプタ・BPEL(言語)などを利用し、数ギガバイト規模の大量メッセージの振り分けや変換を一括処理する入出力プログラムや、制御ロジック部分の開発量を削減できるようになった。これにより、これらの処理部分について従来比で最大60%の工期短縮が可能になった。
新技術を活用した高付加価値サービス
製造現場などで発生する大量のリアルタイムデータのモニタリングや分析処理をする基盤として、「uCosminexus Stream Data Platform」の機能強化を図り、開発の迅速化を実現している。また、Webと電話を連携させNGNに対応したサービスを提供するアプリケーション開発のため、Web/テレコム連携サービス構築支援アダプタ「uCosminexus NGN Application Adapter」が新たにラインアップに加えられた。
製品の価格(税込み)と出荷時期は次のとおり。仮想環境における構築・運用を強化するアプリケーションサーバ「uCosminexus Application Server」の価格は126万円~。出荷時期は2010年2月25日。
ビジネスプロセス管理と柔軟なサービス連携機能を備えたSOA実行基盤製品
「uCosminexus Service Platform」の価格は441万円~。出荷時期は3月26日。
大量データをリアルタイムに集計・分析する基盤製品「uCosminexus Stream Data Platform」の価格は210万円~。出荷時期は2月26日。
NGNを利用したWeb/テレコム連携のためのアダプタ新製品「uCosminexus NGN Application Adapter」の価格は210万円~。出荷時期は3月1日。
Cosminexus
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/cosminexus/index.html
Cosminexusポータルサイト「Cafe Cosminexus」
http://www.cosminexus.com/
日立オープンミドルウェア
http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/ask/index.html