日本オラクルは2025年5月13日、会見を開き、AIエージェント開発ツール「Oracle AI Agent Studio for Fusion Applications」の概要を説明した。個々のタスクを実行するAIエージェントを複数組み合わせ、一連の業務を自動で実行できるようになる。ユーザーの業務に合わせてカスタマイズ可能な、事前定義済みの業務自動化テンプレート群とともに提供する。2025年夏頃に提供を開始する。
日本オラクルは、AIエージェント開発ツール「Oracle AI Agent Studio for Fusion Applications」を2025年夏頃に提供する(関連記事:オラクル、AIエージェント基盤「AI Agent Studio」を発表、複雑なワークフローの自動化を支援)。個々のタスクを実行するAIエージェントを複数組み合わせ、一連の業務を自動で実行できるようになる(図1)。

拡大画像表示
同ツールはもともと、Oracle社内でAIエージェントを開発するために用意したもの。今回これを、Oracle以外のユーザー企業やパートナ企業が使えるようにした。Oracle Fusion Applicationsのユーザーであれば、追加費用なしで利用できる。
業務を自動化するための、事前定義済みのAIエージェントテンプレート群も提供する。これを、ユーザーの業務に合わせてカスタマイズして実行できる。例えば、「保守担当者のための、保守作業査定エージェント」のテンプレートは、標準で大きく4つのステップ(タスク)で構成し、それぞれのタスクをサブエージェントが実行する(図2)。

拡大画像表示
具体的には、(1)画像から損壊状況を査定するエージェント、(2)修理の必要有無や修理作業をまとめるエージェント、(3)修理作業のコストや期間を見積もるエージェント、(4)作業のサマリーレポートを関係者に送るエージェント、を利用して保守作業を査定する。Slack/メールへのレポート送信など各場面で、外部システムと連携しながらタスクをこなす。

拡大画像表示
日本オラクルは、AIへのアプローチについて「既存の業務をただ外側から支援して効率を上げるのではなく、内側の業務プロセスそのものを自動化・進化させる」と説明する(写真1)。例えば、人の操作が介在して画面遷移をともなうプロセスがあった場合、これをAIに置き換えることで、そのプロセス自体を無くすことも可能になる。業務がシンプルになる。
業務を省力化する例として同社は、Oracle Fusion Cloud ERPのドキュメントIOエージェントを使って購買依頼から支払いまでのプロセスを自動化するケースを挙げる(図3)。現状では、見積書の内容をシステムに手動で入力しているが、AIエージェントは見積書の画像からデータを自動で抽出する。また、請求書と発注書の内容比較チェックも現状では手動だが、AIエージェントが自動で照合する。

拡大画像表示