伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、日立製作所(日立)、シーゴシステムズ・ジャパン(シーゴ)の3社は2010年2月1日、国内で初めて、I/O(データ入出力)仮想化プラットフォーム分野で協業することで合意したと発表した。3社は共同で、I/O 仮想化プラットフォームに関するソリューションの開発、販売、拡充を行う。CTCがソリューションの開発と販売を行い、日立がストレージ・システム運用管理ソフトの提供と技術支援を行い、シーゴがI/O仮想化コントローラ製品の提供と技術支援を行る。マーケティングや技術検証、教育プログラムも 3社共同で実施し、ユーザーへのソリューション提供を推進する。
同協業の第1弾としてCTCは、日立、シーゴの技術支援を得て、企業のクラウド環境構築を支援する「仮想I/O統合プラットフォーム」を共同開発し、プライベートクラウドの導入を検討している企業に対し、同日から販売を開始する。同社は今後3年間の売上目標は20億円としている。
I/Oの仮想化とは、サーバとストレージおよびネットワーク機器間の通信経路を専用のコントローラで仮想化し、サーバに対するI/Oリソースの割り当てや変更、サーバの交換作業を単純化する。
具体的には、サーバとストレージ、サーバとネットワーク機器の間に、高速共有I/Oバスを持った仮想化コントローラを設置し、複数のケーブルで結ばれていたものを、1本の高速共有I/Oバス経由での接続に切り替える。これにより、インターフェースカードを仮想的に作成することができ、インターフェースカードのスロット数に悩まされることなく、I/O環境を構築することが可能となる。I/O仮想化の技術を使わず、直接接続した時と比べて、ケーブルとインタフェースカードを最大70%減らすことが可能。
「仮想I/O統合プラットフォーム」は、日立のストレージや統合システム運用管理ソフト、シーゴのI/O仮想化コントローラなどをセットにして提供することで、企業のクラウド環境構築を支援するソリューション。あらかじめ専用のテンプレートが用意されているため、ユーザー企業はカスタムメイドと比較して最大1/2の期間でプラットフォームを導入できる。
同ソリューションの特長は以下のとおり。
- 仮想I/Oに対応することで、サーバ・ストレージ・ネットワークの各リソースをオンデマンドで組み合わせて利用可能
- 設計から運用・監視までをトータルで支援
- 構築ガイド、教育プログラムなどの提供
- 各機器との接続検証、動作確認が完了しているため、カスタムメイドと比較して最大1/2の期間で、高品質なインフラの導入が可能
今後は、3社で共同実施した検証結果をもとに、設定例や簡易スクリプトを含めた仮想I/O設定ガイド、設計や監視のポイント・推奨を含んだテンプレートを新たに開発する予定。
また「JP1」との連携により、I/Oを含めたシステム監視において、システム使用率に基づきジョブの自動化を実現するソリューションの強化を、2010年4月をめどに図る方針。
伊藤忠テクノソリューションズ
http://www.ctc-g.co.jp/
日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
シーゴシステムズ・ジャパン
http://www.xsigo.co.jp/