SAPジャパンは2010年2月3日、企業のサステナビリティ(持続可能性)の取り組み現状を可視化するソフトウェア「SAP BusinessObjects Sustainability Performance Management(SAP SPM)」を販売開始した。エネルギー資源の使用量削減といった目標を図示して全従業員が共有したり、目標の達成度をダッシュボードで確認したりできる。
サステナビリティの取り組みとは、企業が将来にわたって存続し得るよう活動を推し進めること。顧客に製品/サービスを供給し続けるだけの収益力を維持するのはもちろんのこと、環境負荷の低減や地域への貢献といった視点も欠かせない。企業の社会的責任(CSR)を全うする上で、念頭に置くべき重要な観点がサステナビリティである。企業価値を計る新たな尺度として注目されるサステナビリティおよびCSRの実態把握を支援するのがSAP SPMの位置づけだ。
同製品は、サステナビリティ活動の進捗度を把握するKPI(重要業績指標)を標準で100種類以上用意する。この中には、世界的に通用する「GRI(Global Reporting Initiatives)ガイドライン」に準拠した指標も含む。ちなみにGRIは、オランダに本拠を置くサステナビリティ報告書のガイドライン策定機関。同ガイドライン準拠のCSR報告書を発行する企業は世界で約1200社あり、国内でも東芝や花王をはじめとする79社が既に取り組んでいる。
データ連携の仕組みを持つアプリケーション基盤「SAP NetWeaver」をベースとしており、ERPパッケージの「SAP ERP」やコンプライアンス(法令順守)支援ソフトウェアの「SAP Environment, Health,and Safety Management」などからデータを読み込んで管理できる。
例えば製造業の場合、生産する製品に含まれる資源や化学品などの規制対象物質の生産量を、サステナビリティの取り組み目標の達成度に反映できる。他社製品でもWebサービスAPIを介してデータの読み込みが可能だ。リクエストフォームやアンケートフォームを備え、システムで管理していない情報は担当者が直接入力できる。
「社内のシステム環境に関わらず、SAP SPMがサステナビリティ活動の核となる」(ビジネスユーザー&プラットフォーム事業本部GRC/EPM事業開発部GRCグループグループマネージャーの中田淳氏)。
SAP SPMを国内投入した背景について同社は、昨今、顧客や投資家の間で環境に対する関心の高まりを挙げる。「サステナビリティに関して活発に活動する国内企業は多いものの、今まではそれを外部にうまく公開できているとは言えない状況だった。だがコンプライアンスへの意識の高まりを受け、そのことを課題として認識する経営者が増えてきた」(バイスプレジデントインダストリー戦略本部兼バリュー・エンジニアリング本部本部長の脇阪順雄氏)。
主に経営者がサステナビリティに高い関心を持つ企業に向けて売り込む。5~10社程度の販売パートナーと共同で販売し、3年で40社への導入を目指す考えだ。発表時点では、価格は非公開。
※(2010年2月4日 14:15)記事中、脇阪順雄氏の肩書を「バイスプレジデントインタストリー戦略本部兼バリュー・エンジニアリング本部本部長」としておりましたが、「バイスプレジデントインダストリー戦略本部兼バリュー・エンジニアリング本部本部長」の誤りでした。本記事では修正済みです。
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