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[特別広報企画] “Smart Work”実現のためのBPMアプローチ

2010年4月28日(水)

企業での俊敏かつ効率的なビジネス・プロセス連携のためにIBMが推進する"Smart Work"。 ビジネスの効率性、革新性、俊敏性を高め、スマートな働き方を実現するためには、ビジネスプロセスの改善とシステム間の連携が重要となる。 今回、同社のSOA/BPMアーキテクト・吉田洋一氏に、ビジネスプロセスの改善を行うにあたってのポイントを聞いた。

BPMで成果をあげるには小さな課題から始める

経営課題解決のため、業務分析やプロセス評価など一連の改善サイクルを継続的に推進し、ビジネス・プロセスを最適化するBPM(Business Process Management)や、俊敏で柔軟なシステム間連携のためのESB(Enterprise Service Bus)の活用がある。

IBMが推進する"Smart Work"、スマートな働き方を実現するためには、このBPMとESBが重要なポイントとなる。

今回は、実際にビジネス・プロセスを改善、最適化するにあたって、BPMソリューション導入のポイントを同社のSOA/BPMアーキテクト・吉田洋一氏に伺った。

「BPMで成功している企業の多くは比較的小さなところから始めています。まずは現在抱えてビジネス課題にフォーカスするのがポイントです」と吉田氏は語る。

ビッグバン的なBPM導入の場合、システム開発だけで1年以上かかることもあり、効果が出るまでの投資リスクが高くなる。一方、現在抱えている課題は、裏を返せば効果を出しやすい所であり、そこにフォーカスすれば投資効果も測りやすい。

吉田洋一氏
吉田洋一氏
ソフトウェア事業
テクニカル・セールス&サービスSOA/BPMアーキテクト
シニア テクニカル スタッフ メンバー
1984年日本IBMに入社。2000年より、SOA/BPMアーキテクトとしてSOA/BPMの適用の支援に従事。日本の製造の現場で熟成された改善活動を、企業のビジネス・プロセスに適用したBPMの日本における展開を推進している。

個別最適ではなく継続性のあるシステムを

BPMを小さく始めるといっても、現在ある課題に対する個別最適のみを行うと、将来性のないシステムになってしまう恐れがある。吉田氏は「 “Think Big, Start Small”の考え方で、全体のアーキテクチャーを考慮に入れ、目の前の課題を短期間でクリアできるようにすべきです」と指摘する。

個別最適を行うと、システム同士が入り乱れることは避けられない。一方で、全体のアーキテクチャーを考えるとなると、それ自体に時間がかかるのではないかという懸念もある。しかし吉田氏は「システムをよくみると、どの企業も全体的なアーキテクチャーはあまり変わりはありません。独自のアーキテクチャーを考えるという時間をかけなくても、既にあるアーキテクチャーを活用すれば、“Think Big, Start Small”を実現できます」と説明した。

IBMはオープンスタンダードを推進しており、その中であらゆる業種のベストプラクティスを蓄積しているため、顧客毎にユニークなシステムを構築しなければならないというケースは減っているという。

課題を定量的にとらえてプロセスづくりに役立てる

BPM導入にあたり、現状の課題を解くという考え方以外に、現行のシステムをビジネス的に監視して課題を見つけるという手法もある。既存のシステムをできるだけ変更せずに現在の業務を監視できるようにするのがBAM(Business Activity Monitor)だ。

BAMを導入すると、各種アプリケーションの中で行われるビジネス的なイベント(受注伝票の発行、納品日の決定など)を集めてリアルタイムで分析できる。集めたデータを元に納期の遵守率や受注率などもリアルタイムに把握できるようになる。業務の課題を数値で捉えられるので、改善した場合の投資効果などを事前に予測できる。

「IT主導のBPMの実施がBAMから始める事例が増えてきています。BAMの情報があれば、関係者への説明もしやすいと思います」と、BAMのメリットを語った。

プロトコルとデータの分離・独立の原則を守る

BPMでは、システムへのつなぎ方やデータの形式をシステムに依存しないようにすることも重要だ。吉田氏は、「ERPをカスタマイズしていたある企業が、ある国にビジネス展開しようとしたら、パッケージのバージョンアップが必要になりました。しかし、カスタマイズしているが故にバージョンアップも簡単にできないという事態に陥ったというケースもありました」と語る。

このように、基幹システムに外部連携やワークフローなどの追加機能を盛り込んでしまうと、マイグレーション時に多大な工数がかかる。こうした問題を解きほぐすのが、プロトコルとデータの分離・独立の原則を守ることをポリシーとしているSOAだ。「QCDだけを考えて個別最適をつくるという提案は将来性がなく、良いとはいえません。追加の機能を内包するのではなく、外にESBやアダプターなどの標準技術を用い構築すれば、基幹システムの価値を高めることができます。これも必要なところから小さく始められます」と吉田氏。

機能面だけではない、ソリューション選びのポイント

ESBとBPMのコラボレーション的な使い方をする場合、トランザクション処理にも気を配る必要がある。いつも各システムが動作しているわけでもないし、失敗する場合もあるからだ。

BPM基盤を選ぶポイントについて吉田氏は「オープンスタンダードをサポートするミドルウェアは数多くあり、機能的な差はあまりありません。機能以外のパフォーマンス、トランザクションの整合性、メッセージの保全性などが満たされるかどうか、そして分離独立の原則の遵守が重要な選定ポイントになります」とした。

最後に吉田氏は、BPM Suiteを導入することだけがBPMソリューションではありません。場合によってはESBやポータルなどの他の技術の導入で実現できることもあります。また、BPMの導入でコスト効果だけでなく、工期の短縮など、タイムバリューの効果も現れます。早く取り組んだほうがより大きな効果を得られるでしょう」と語った。

なお、IBMでは、BPMを体験できるワークショップを開催している。架空のプロセスではなく、顧客自身の業務プロセスを使い、業務プロセス分析、業務的な課題や効果を定量化するなど、リアリティのある体験ができるので、導入を検討している企業におすすめだ。

IBM BPM Suite

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IBMでは「IBMビジネス・プロセス・マネージメント製品ガイド」のプレゼントキャンペーンを実施中。ガイドブックは、IBMのBPMの実績をベースに最新の動向を盛り込んだ内容となっており、BPMソリューションの構築を考えるうえでの参考資料となる。

お問い合わせ先

日本アイ・ビー・エム株式会社

製品詳細情報は、ibm.com/jp/software/websphere/

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