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異機種/複数のFCストレージを単一イメージで集約、広域分散も可─EMCの「VPLEX」

2010年5月19日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

EMCジャパンは2010年5月19日、異機種/複数のFC(Fibre Channel)ストレージを論理的に1台のFCストレージとして使えるようにする仮想化ゲートウエイ装置「VPLEX」を発表した。1台のVPLEX配下のストレージだけでなく、複数のVPLEXにまたがったストレージも単一イメージで運用できる。価格は、仮想ボリューム10Tバイトで929万円(税込)から。

 EMCジャパンの「VPLEX」は、FCストレージを仮想化するゲートウエイ装置である。サーバーとFCストレージの間に入り、配下にある異機種/複数のFCストレージを集約し、論理的に1台のFCストレージであるかのように見せる。さらに、複数のVPLEX(最大4台)にまたがったストレージも単一イメージとして運用可能。サーバー、ストレージ、VPLEX間の接続インタフェースとプロトコルは、いずれもFC。

 個々のVPLEX(ノード)は、ローカル接続したストレージとは別に、キャッシュを備える。複数ノード間でキャッシュのコヒーレンシ(整合性)をとり、自身のキャッシュが新しいかどうかといった情報をやり取りする。これにより、複数ノードにまたがってストレージを単一イメージで運用できる。データ・アクセスだけでなく、キャッシュ整合性プロトコルもFCでカプセル化して通信する。

 サーバーからは、VPLEXが1台のFCストレージに見える。VPLEX上にボリュームを作成して運用するかたちになる。この裏では、複数のVPLEX間でCPU処理負荷の分散が行われるほか(あるデータにどのVPLEXノードからアクセスするかを都度決める)、複数ストレージ間でのデータの移動などが行われる。

 用途の違いにより、データセンター内で運用する標準版「VPLEX Local」と、VPLEXを遠隔サイトに分散配置して広域で運用する機能上位版「VPLEX Metro」(距離は100キロメートルまで)の2種類のライセンスを用意した。ハードウエアは共通。価格は、VPLEX Localが仮想ボリューム10TBで929万円(税込)から、VPLEX Metroが仮想ボリューム10TBで1726万円(税込)から。

 VPLEX Metro同士の広域接続は、ダーク・ファイバなどを利用したFC回線サービスの利用を前提としている。VPLEXのFCインタフェース間でFCプロトコルさえ使えれば動作はするものの、途中でFCを他のプロトコル(IPなど)に変換する使い方は想定外であり、保証の対象とはならないという。


図1:筐体間のキャッシュ整合性をとることで、複数筐体にそれぞれローカル接続したストレージのプールをシングル・イメージ(SMPイメージ)で利用できる

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