情報システムを経営に生かす-その根源となるのはデータの品質である。SOA(サービス指向アーキテクチャ)やクラウドコンピューティングなど技術革新の激しいITの世界だが、データ品質の維持管理の視点が欠けていては恩恵を享受することはできない。「活用されるシステム」を具現化するための、データマネジメントの勘所を解説する。
昨今の厳しい経済環境下では、今まで以上に“正しい現状の認識”に基づいた意思決定が企業経営に求められるようになっている。電子の世界が日常生活や企業運営の隅々にまで浸透した今日においては、現状とは「データ」という形に保存され、意思決定の根拠となっていることが極めて多い。しかしながら、データマネジメントに問題があるため、データが正しい意思決定をするための羅針盤になりえないという状況を、筆者は数多く目の当たりにしている。
本連載では、データマネジメントの重要性を実際に筆者が見た事例を中心に解説する。そして、読者の皆様が所属企業でデータマネジメントを実践し、事業の競争力強化につなげていくために必要なポイントを示していく。
第1回は、データマネジメントが必要となる背景を中心に、いくつかのケースをもとに解説する。
データマネジメントが必要となる背景
●営業マネジャーからこう言われたことはないか…?
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バックナンバー
- 突然の事業環境変化にデータマネジメントを対応させる 第4回(2011/01/21)
- データマネジメントの全体最適化は、組織間でのデータ連携から 第3回(2010/09/21)
- 不明確なデータ入力ルールが、システムの活用を阻害する 第2回(2010/08/04)