日本電気(NEC)は2010年9月6日、高可用性ソフトウェア「CLUSTERPRO X」(クラスタープロ・エックス)において、仮想化システムの無停止フェイルオーバーに対応した「CLUSTERPRO X 3.0シリーズ」を製品化し、10月1日より販売開始すると発表した。
CLUSTERPRO Xは、同社のクラスタリングソフトウェア「CLUSTERPRO」の中核製品であり、システム障害を監視し、障害検知時に正常に動作している待機系サーバーに業務を自動的に引き継ぐことで、信頼性の高いシステムを実現可能にするというもの。
今回発表された新製品は、仮想化基盤上の仮想マシンの無停止フェイルオーバー(システムの障害発生時に待機系サーバーが処理を引き継ぐこと)に対応。また、初期導入時に必要な現用系・待機系サーバー間のデータ同期にかかる時間の削減や、画面のGUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)の操作性も強化された。
新製品の主な特徴は以下のとおり。
- 仮想化システムの無停止フェイルオーバーに対応
仮想化基盤ソフトウェアと連携させることで、システムを停止することなく仮想マシンのフェイルオーバーを行うことが可能(VMware、Hyper-Vに対応)。障害発生時に、仮想マシンで動作しているアプリケーションなどを障害発生直前の状態のまま引き継ぐことができるため、業務を迅速に再開可能。 - データ同期を高速化
初期構築時や障害復旧時に必須となる、現用系・待機系サーバー間のデータ同期を高速化。ディスク内の実データ領域のみ同期する新機能により、1,000GBのディスクサイズの場合、従来約1,000分かかっていた初期構築時のデータ同期を、約10分で完了可能(同社調べで、フォーマット直後のディスクを使用した場合)。 - 運用面での使い勝手を強化
初期構築時に、サーバー名など必要最低限の情報を入力するだけで、設定が必要な項目が自動的に画面に表示されるため、手軽に設定可能。また、操作・管理用画面のGUIの操作性も向上している。
製品の価格(希望小売価格、税別)は以下のとおり。
- CLUSTERPRO X 3.0 / CLUSTERPRO X 3.0 for VM(高可用性ソフトウェア):各製品 60万円~
- CLUSTERPRO X Replicator 3.0(データミラー機能を提供)[オプション製品]:40万円~
- CLUSTERPRO X Database Agent 3.0 / Internet Server Agent 3.0 / Application Server Agent 3.0 / File Server Agent 3.0 / Anti-Virus Agent 3.0(アプリケーション監視機能を提供。データベース、インターネットサーバー、アプリケーションサーバー、ファイルサーバー、ウイルス対策ソフトにそれぞれ対応した計5製品)[オプション製品]:各製品 30万円~
「CLUSTERPRO」
http://www.nec.co.jp/clusterpro/