富士通は2010年10月6日、りそなグループにおける部門業務システムを、同グループのシステムセンターにプライベートクラウドで構築し、これを同社からりそなグループにサービスとして提供すると発表した。クラウド構築の専門部隊によって短期間で立ち上げ、2010年度中に運用を開始する予定とのこと。
今回りそなグループで構築されるプライベートクラウドの特徴は以下のとおりである。
- りそなグループのシステムセンター内に構築
りそなグループのシステムセンターにおけるIAサーバーを、仮想化技術により統合し、従来の約5分の1に集約する。 - 従量課金によるサービス運用
りそなグループのシステムセンター内に構築し、同環境のサーバーリソースをはじめとするハードウェアやミドルウェア・構築・導入・運用のすべてを、利用するCPUノード数およびストレージ容量数などに応じて富士通が課金する従量課金サービスを採用。 - システムのライフサイクルマネジメント(LCM)が可能
従来は、システムごとに順次、入れ替えの計画や実施の必要があったが、今回のサービスの採用により、入れ替えのタイミングを意識しないシステムの運用・維持が可能。 - クラウド基盤にブレードサーバーを採用
クラウド基盤に採用する富士通製ブレードサーバー「PRIMERGY BX900」は、業務の状況に合わせ、サーバーリソースの追加変更などに柔軟に対応可能。 - 環境への配慮
同ブレードサーバーの採用によって消費電力の低減が可能となり、従来に比べシステム全体で年間約20%のCO2抑制が見込まれる。
同サービスにより、以下のような効果が期待されている。
- クラウド構築専門部隊により短期間でICT基盤を構築し、LCMサービスセンターによるクラウド向け運用管理サービスを提供する。プライベートクラウドによる信頼性・品質での運用に加え、効率的なシステム運用、TCOの最適化、ICT管理者の負荷軽減などが可能。
- ベースとなるブレードサーバー「PRIMERGY BX900」は、大規模なサーバー集約のニーズに応えた製品で、実装密度、省エネ、仮想化対応などの最新技術を搭載している。ブレードサーバーと仮想化技術による柔軟性、および同社の可用性や運用技術によって、ダイナミックなクラウド基盤を提供可能。
- サーバーの仮想化・自動化を実現するソフトウェア「ServerView Resource Coordinator VE」により、サーバーの状態やネットワーク構成などが可視化され、簡易ビューアによりサーバーの状態がわかりやすく表示される。物理および仮想環境の両方を、簡易かつ統合的に管理して、サーバーリソースを最大限に引き出すことが可能。