ITホールディングスグループのTISは2011年1月21日、携帯電話向け音楽配信サイトを運営するレコチョクのデータウェアハウス(DWH)を中心としたマーケティングプラットフォームシステムの構築を支援したと発表した。
レコチョクでは、1800万人が利用する日本最大規模の携帯電話向け音楽配信サイトを運営するうえで、次のような課題を抱えていた。
- マーケティングに必要な顧客データなどが散在していることによる分析、施策推進の非効率性
- システムが分散していることによる運用コスト増
- 顧客向けリテンション施策推進などのマーケティングスピードの向上の必要性
■ 構築までの経緯
レコチョクは、日々増大するデータを有効活用するため、データウェアハウスを中心としたシステム構築の検討を始めた。データは5年間で約10TBを超えるデータ量の増加が見込まれ、「データ量の増加に伴う柔軟な拡張性」と「高いコストパフォーマンス」はマーケティングプラットフォームの中核であるデータウェアハウスの重要なシステム要件だった。
TISは、データウェアハウス製品に「Greenplum(グリーンプラム)」、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールに「MicroStrategy(マイクロストラテジー)」、ETL(Extract/Transform/Load)に「PowerCenter(パワーセンター)」を採用するマーケティングプラットフォームシステムの構築を提案。「Greenplum」のベンチマークでは、既存環境で使われているIAサーバを使った場合、他社製品に比べ、低コストでありながらクエリー性能やロード性能で高い処理性能を発揮した。
オープンソーステクノロジを基盤とした次世代型DWH用データベースエンジンである「Greenplum」は、データの増大に応じて柔軟に拡張可能な点も含め、レコチョクの検討項目全般において、バランスの良い評価を受けた。また、レコチョクの現場部門が行った、BIツールおよびETLの選定においては「MicroStrategy」の管理面の使いやすさと見易さ、「PowerCenter」の運用の容易さや高い拡張性が評価を得た。
最終的にレコチョクは、TISへの依頼を決定。そしてTISは、データの整備から、経営層から現場部門まで使用する数多くのレポート作成を含め、同プロジェクトを約5カ月で完成させた。
■ 新システムの効果
新システムでは、これまで各部門が独自にデータ加工・保持する方法から、経営層から現場社員までが、統一したマーケティングプラットフォームシステムに対してデータ分析・抽出を行える環境を提供。その結果、さまざまな顧客セグメンテーションによる施策の推進や、時系列・効果分析がスピーディに行われ、最大で90%以上の業務処理スピード向上を実現した。
レコチョクでは、新システムを活用し、さらなるデータ分析、分析に基づく各種施策を行い、データベースマーケティングの活用したよりよいサービス提供を目指すとしている。
TISでは、今後も「Greenplum」と「MicroStrategy」等を組み合わせた高いコストパフォーマンスと柔軟な拡張性を備えた統合分析システムやマーケティングプラットフォームなど、さまざまな企業で増加しているデータ分析ニーズに応えしていく。
なおTISは、下記のセミナーを実施し、レコチョクのマーケティング戦略や今回TISが構築したマーケティングプラットフォームの紹介する。
「必見!「着うた」のリーディングカンパニー レコチョク様のマーケティング分析セミナー」
日時:2011年2月2日 14:30~17:20
場所:TIS竹芝ビル