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HPとMSが大規模DWH向けアプライアンスを発表 BigData時代のITプラットフォームの選択肢に

2011年4月1日(金)

HP Enterprise Data Warehouse Applianceなど/日本HP、日本マイクロソフト 特定の用途を想定することでハード/ソフトのチューニングを事前に済ませ、システムの短期導入を可能にするアプライアンス製品。この分野で日本HPと日本MSの2社が、大量データの並列処理やエンドユーザーによる分析を支援する製品を発表した。

記者発表会で固く握手する(左から)、日本ヒューレット・パッカード(HP)の古森 茂幹取締役、日本マイクロソフトの梅田 成二業務執行役員、日本HPの上原 宏統括本部長 記者発表会で固く握手する(左から)、日本ヒューレット・パッカード(HP)の古森 茂幹取締役、日本マイクロソフトの梅田 成二業務執行役員、日本HPの上原 宏統括本部長

日本ヒューレット・パッカード(HP)と日本マイクロソフト(MS)の2社は2011年3月10日、2種類のアプライアンス製品を発表した。1つは、大規模データウエアハウス(DWH)用途の「HP Enterprise Data Warehouse Appliance」。日本HPのIAサーバー「ProLiant」とストレージ「StorageWorks P2000 G3 MSA」に、日本MSの大規模並列処理用RDBMS「SQL Server 2008 R2 Parallel Data Warehouse エディション」を導入し、性能を最適化した状態で提供する。

一般にDWHの導入コストは安くない。日本HPの上原 宏サーバーマーケティング統括本部統括本部長は「他社製品で同等性能のDWHを構築すると製品価格だけで9億円以上かかる」という。これに対し新製品は「1/3〜1/5のコストで導入できる」(上原氏)と続ける。

もう1つのアプライアンス製品は、ビジネスインテリジェンス(BI)用途の「HP Business Decision Appliance」。「SQL Server 2008 R2 Enterpriseエディション」と「SharePoint 2010」をProLiant向けにチューニングして提供する。

製品の特徴

DWH向け製品には、データベースサーバーごとにディスクやメモリーを用意し、サーバーが互いにデータを共有せずに処理を実行する「シェアードナッシング」方式を採用した。サーバー間でデータを共有する「シェアードエブリシング」方式に比べ、「同時実行するサーバー数が増えてもボトルネックが生じにくい」(日本MSの斎藤 泰行エグゼクティブ プロダクト マネージャー)のが特徴だ。

BI向け製品の特徴は「Power Pivot」と呼ぶSQL Server 2008 R2の機能を用い、Excelでデータを多次元解析できる点にある。システム利用者が自らデータを分析・加工する「オペレーショナルBI」を実践しやすくなる。加工したデータはSharePointを介して、複数のシステム利用者と共有できる。

DWH向け製品は、ストレージの総容量を38TB、76TB、127TBから選択できる。4ラック構成にした場合、最大508TBまで拡張可能だ。そのほかProLiant計17台、スイッチ「HP Procurve Switch 2510-48GB」を4台搭載する。BI向け製品は、ProLiant1台で構成する。

価格と出荷時期

参考価格(税別)はDWH向け製品が1億8000万円からで、構築費用が800万円から。BI向け製品が800万円から。共に3年間のハードおよびソフトの保守サポート料金を含む。出荷開始はいずれの製品も4月上旬。

ラインナップの拡充計画

今回の発表は、2010年1月に米MSと米HPが締結した協業契約の一環。日本HPと日本MSの2社は協業契約に基づき、今後もアプライアンス製品のラインナップを拡充していく。2011年前半に「Exchange Server」を搭載したメッセージングアプライアンス「HP E5000 Messaging System for Exchange」を市場に投入。同年後半には仮想化技術「Hyper-V」とSQL Serverを搭載したOLTP/プライベートクラウドアプライアンスを発売する。時期は未定だが、MSのPaaS「Windows Azure platform」の基盤ソフトを搭載した「Windows Azure platform appliance」を提供する計画もある。 (鳥越)

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