日本ベリサインは2011年4月19日、PDF署名専用の電子証明書を発行・運用できるようにするサービス「ベリサイン マネージドPKI for Adobe CDS」を発表した。2011年6月に出荷する。電子証明書のライセンス価格は、1年あたり署名回数5000回までで20万円(税別)など。別途、認証局の設定などの初期費用がかかる。
電子署名を検証する仕組みとして、Adobe CDS(Certified Document Services)と呼ぶ、米Adobe SystemsのPDF閲覧ソフトであるAbobe Readerに最初から組み込まれている仕組みを利用する。これにより、Adobe Readerにプラグインを追加したり、特別な設定や操作を施したりすることなく、標準のAdobe readerの設定のままで署名やタイム・スタンプを検証できる。
日本ベリサイン(米VeriSign)は、米Adobe Systemsと契約を取り交わした証明書発行サービス事業者であり、Adobe CDS向けの電子証明書を発行できる会社の1社である。日本ベリサインがAdobe CDS向け電子証明書を国内で販売するのは、今回が初めてとなる。なお、国内では、例えばグローバルサインなどがAdobe CDS向けの証明書を扱っている。
稼働環境や諸条件は以下の通り。Adobe CDSを用いた署名の確認には、Adobe Reader 6.0以上が必要。タイム・スタンプの確認には、Adobe Reader 7.0以上が必要。電子証明書の有効期間は1年、2年、3年の3種類。電子署名回数は1年あたり5000回までのライセンスと、無制限回数のライセンスを用意した。
なお、今回のサービスは、電子証明書の発行・運用アウト・ソーシング・サービス「ベリサイン マネージドPKI」(MPKI)のオプションとして提供。これまでMPKIでは一般的なSSL電子証明書の発行・運用が可能だったが、今回新たにPDF署名用の電子証明書を扱えるようにした。MPKIは、認証局設定用の初期費用のほかに、利用する電子証明書の種類と数に応じたライセンス費用がかかる。