NTTインテグレーション(旧 日本情報通信)は2026年5月19日、AI推論アクセラレータ「IBM Spyre Accelerator for Power」を組み込んだオンプレミス型のAIサーバーを、マネージド型のAI基盤として2026年10月から提供すると発表した。機密データを外部に持ち出さずにAIを活用したい製造業などに向けて提供する。
NTTインテグレーションは、AI推論アクセラレータカード「IBM Spyre Accelerator for Power(以下、IBM Spyre)を組み込んだオンプレミス型のAIサーバーを、マネージド型のAI基盤として2026年10月から提供する(図1)。機密データを外部に持ち出さずにAIを活用したい製造業などに向けて提供する。これに先立ち、提供開始に向けた技術検証を日本IBMと共同で始めた。
図1:AIサーバーをマネージド型のAI基盤として提供する(出典:NTTインテグレーション、日本IBM)AIサーバーは、IBMの業務用サーバー「Power11」のPCI Express拡張バスに、AI推論を専門に処理する拡張カード「IBM Spyre」を装着する構成を採る(写真1)。カードを駆動するために必要なドライバソフトウェアやAI推論ソフトウェアはLinux環境で動作する(関連記事:IBM、メインフレームとPowerサーバーのAI処理を高速化するPCIeアクセラレーターカード)。
写真1:Powerサーバーで使えるAIアクセラレーターカード「IBM Spyre Accelerator for Power」の外観(出典:米IBM)拡大画像表示
従来、生成AIの推論基盤はGPUを中心に構成するのが一般的だった。しかし、GPUサーバーは消費電力が大きく、電源や空調の整備が必要になるケースが多い。一方、IBM Spyreは1カードあたりの消費電力が75Wと低く、設備を改修せずにAI推論機能を追加できる。また、8枚でクラスタを構成した場合はメモリー空間が最大1TB、帯域幅が毎秒1.6TBになり、大規模LLMを処理可能だとしている。
オンプレミス環境に設置可能なサーバーであるため、データの保護にも向く。基幹業務データを蓄えるPowerサーバー上で推論処理まで完結させれば、機密情報を外部のクラウドに送らずに済む。両社は、設計図面や製造プロセスデータといった秘匿性の高い知的財産を扱う製造業の設計・生産部門を主な利用先として想定している。
NTTインテグレーションは、自社を最初の利用者と位置付け、基幹業務OS「IBM i」上で稼働する業務データの分析や、RAG(検索拡張生成)を使った社内ナレッジ検索などのユースケースで先行検証する。同社は、x86サーバーとIBM Power、オンプレミスとクラウドを組み合わせて用途に応じて最適な実行環境を選べる「全方位的(オムニディレクショナル)AI基盤」を整備する方針である。
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