米Broadcomは2026年5月5日、仮想化基盤ソフトウェア新版「VMware Cloud Foundation 9.1(VCF 9.1)」を発表した。新版では、AIをオンプレミス環境やプライベートクラウドで動かすための機能を強化した。特に、高速ストレージのNVMeフラッシュを第2階層メモリーとして利用する機能と、分散ストレージ「vSAN ESA」のデータ重複排除機能を強化し、インフラにかかるコストを削減した。
米Broadcomの「VMware Cloud Foundation(VCF)」は、仮想化基盤ソフトウェアである。今回の新版「9.1」では、AIをオンプレミス環境やプライベートクラウドで動かすための機能を強化した。特に、高速ストレージのNVMeフラッシュを第2階層メモリーとして利用する機能と、分散ストレージ「vSAN ESA」のデータ重複排除機能を強化し、インフラにかかるコストを削減した。
同社の調査によると、IT責任者の62%が生成AIのインフラ費用に懸念を示している。本番AIをパブリッククラウドから自社環境へ戻す動きがあるが、ハードウェアコストが課題だった。背景にはDRAM(メインメモリー)の価格高騰がある。Broadcomは公式ブログで、高密度な仮想化サーバーでは部材費の95%超をメモリーが占めるとしている。
図1:NVMe SSDを用いたメモリー階層化機能の概要(出典:ヴイエムウェア)拡大画像表示
前版のVCF 9.0(2025年6月提供)では、メモリーコストを抑制する階層型メモリー機能を実装した(図1)。DRAMを「ティア0」、NVMe SSDを「ティア1」とし、仮想マシンから論理メモリー空間として扱える機能である。ハイパーバイザが、アクセス頻度が高いデータをDRAMに、低いデータをSSDに自動で配置する。仮想マシン上のOS/ソフトウェアから透過的に使える。
遅延については、同社の社内検証によると、合計メモリー容量1TBのDRAM単体構成と、同容量をDRAMとNVMeで1対1に分けた階層構成を比べたところ、業務アプリケーションのベンチマーク「VMmark」で性能低下は5%にとどまった。Oracleデータベースでは5%未満だった。一方、SAP HANAなどのインメモリーデータベースなどでは非推奨としている。
同社は、メモリーをDRAMとSSDで階層化することにより、AIとAI以外を混在させたクラスタシステムのサーバーコストを最大で40%削減できると試算している。
今回の9.1では、主に運用性を改善した。例えば、階層機能を適用する際に、サーバーを再起動させる必要がなくなった。また、NVMe SSDを冗長構成で使う際に、ハードウェアRAID機構が不要になり、ハイパーバイザが透過的にミラーリングするようになった。さらに、vCenterに専用ダッシュボードを追加し、各階層の帯域やレイテンシを可視化できるようになった。
ストレージ機能「vSAN」の重複排除機能も拡張した。NVMe SSDを前提とした新アーキテクチャ「vSAN ESA」には重複排除機能がなかったが、前版のVCF 9.0でクラスタ全体を重複排除のスコープとする「グローバル重複排除」を限定提供として導入。今回の9.1で一般提供を開始した。最大64台のサーバーで構成するクラスタで利用可能である。後処理(ポストプロセス)方式でCPUが空いている時間帯に重複排除を実行する。
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