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[技術解説]

IBM、マイクロソフト、サイボウズ、主要3グループウェアの20年の進化の歴史

仕事のツールを見直す Part3

2012年8月20日(月)折川 忠弘(IT Leaders編集部)

メールを補完し、報告・連絡・相談の効率化に役立つグループウェア。その最新機能は意外と知られていない。メールやスケジュール管理以外の機能強化が著しいにもかかわらずだ。代表例としてIBM、マイクロソフト、サイボウズの製品の進化をチェックする。

【IBM】メール強化とともに多様な連絡手段を提供

 IBMの「Lotus Notes/Domino」は、旧ロータスが1989年に発売して以来、ユーザーが抱える新たな課題の解決に積極的に取り組んできた。メールの“洪水”に悩む声を聞けば、混乱せずに処理する方策を考える、といった具合だ。

 例えばバージョン7の場合、メールを時系列ではなくスレッド(話題)別に表示できるようにし、これまでの経緯を踏まえた上でメールを返信しやすくした。メールの内容に応じてユーザーがタグを付けられるようにし、必要なメールを迅速に検索できる工夫も施した。

 大量の添付ファイルが飛び交う運用方法も見直してきた。複数ユーザーに添付メールを一斉配信すると、同じファイルが社内に重複して存在することになる。こうした使い方が常態化すると、保存先のディスクを圧迫しかねない。そこでバージョン8.5は「DAOS」と呼ぶ機能を追加。添付ファイルをサーバー上の専用スペースに一元的に保管することでストレージの容量を抑える。

 バージョン8.5.2では、ファイル共有機能を備えるLotus Quickrと連携。メール送信時にファイルを添付せず、代わりにQuikcrのライブラリに保存したファイルへアクセスするためのURLを発行することで、ファイルの重複を防ぐ。

図3-1 IBM Lotus Notesの画面
図3-1 IBM Lotus Notesの画面

Web会議の利便性向上を図るLotus Sametime

 在席管理やWeb会議などの機能を備える「Lotus Sametime」は、会議を効率よく実施するための機能を拡張してきた。バージョン3.1からNotesのカレンダーを使って会議を予約できるようにし、その後はモバイル機器やMacなどからも会議に参加できるようにした。

 音声通話との連携にも注力。2010年に発表した「IBM Sametime Unified Telephony」は、IMやWeb会議などに加え、固定電話や携帯電話などを含めて最適なコミュニケーション手段を選択できるようになった。文字で伝えにくい場合は、IMを利用中でも電話に切り替えて会話を続けたり、オフィス不在時には携帯電話に転送設定して外出先で電話を受信したりできる。

図3-2 「IBM Lotus Notes/Domino」と「IBM Lotus Sametime」の機能強化の経緯
図3-2 「IBM Lotus Notes/Domino」と「IBM Lotus Sametime」の機能強化の経緯

●Next:マイクロソフトとサイボウズのグループウェアの強みは

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