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[ユーザー事例]

ユーザー企業みずからの創意工夫を促す超高速開発ツール─ICTM-Pセミナー

2013年4月22日(月)河原 潤(IT Leaders編集部)

中堅・中小企業のITによる経営革新を支援する任意団体、ICT経営パートナーズ協会(略称:ICTM-P)は2013年4月16日、「ユーザ事例に学ぶ超高速開発ツール~スピード経営を実現する強力な武器~」と題したセミナーを東京都内で開催した。会場はユーザー企業の情報システム担当者を中心とする約100名の参加者で満席となり、注目のテーマへの関心の高さがうかがえた。

旧来のシステム構築アプローチが阻む戦略的IT投資

 ビジネスを取り巻く環境が大きく変化し、スピード経営の実践が強く求められる中で、超高速開発ツールやアジャイル開発手法といった、ビジネス・アジリティ(俊敏性)を追求するシステム構築のアプローチが注目されて久しい。だが国内での動きを見るに、関心の高さほどには採用が進んでいるとは言いがたいのが現状だ。

 ICTM-P会長の関 隆明氏はセミナーの冒頭挨拶の中で、「わが国のシステム構築は、ユーザー企業が自前で臨むウォータフォール型のスクラッチ開発に偏重し、そこにかかる膨大な人月と期間が足かせとなって十分な戦略投資ができないでいるところが多い」と指摘。参加者に向かって、今回紹介される超高速開発ツールをはじめとするビジネス・アジリティを指向したシステム構築アプローチの重要性を促した。

写真1 ICT経営パートナーズ協会 会長 関 隆明氏
写真1:ICT経営パートナーズ協会 会長 関 隆明氏

 セミナーでは、超高速開発ツールを導入・活用して自社のビジネスや情報システムの課題を解決したユーザー企業5社の担当者が登壇し、それぞれ導入の経緯や得られた効果などを語った。以下、各講演の模様をお届けする。

輸出入業務システムを短期開発して外販も展開

●鈴与システムテクノロジー パッケージソリューション事業部東京支店 山本尚之氏

 物流業大手である鈴与の情報システム部門を母体に設立された鈴与システムテクノロジー。近年、輸出入事業が堅調に推移して現場での業務量が増大。それに伴い、これまで手作業で行ってきた発注量計算や出荷計画立案、船積書類作成といった煩雑な各種業務のシステム化が急務となり、輸出入業務システムの構築プロジェクトが始動した。

 山本氏によれば、当初は自社でのスクラッチ開発も検討されたが、開発規模を算出したところ136人月もかかることが判明。一方で同氏はこの頃、アプリケーション自動生成ツールの「GeneXus」を採用した超高速開発を提案するウイングを知り、見積りを依頼。結果、わずか46人月という回答を得てGeneXusを選定した。

 輸出入業務システムは、ほぼ見積りどおりのコストとスケジュールで開発が完了。「半自動プログラミングやローカライズ支援機能、構築した資産の永続的継承など、GeneXusに備わる特徴を生かして開発を進めた。CentOSとMySQLの組み合わせも奏功して開発期間だけでなく、導入コストも大幅に抑えることができた」と山本氏。同社は開発した輸出入業務システムを「G-TRIX」の製品名で外販するが、その際も、開発ライセンスのみ必要で、実行環境の提供に追加のライセンスがかからないというGeneXusの持つアドバンテージが生かされている。

写真2 鈴与システムテクノロジー パッケージソリューション事業部東京支店 山本尚之氏
写真2:鈴与システムテクノロジー パッケージソリューション事業部東京支店 山本尚之氏

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