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「クラウドをまたがる相互運用性をもたらす」

~IBM PureApplication Systemが実現する“クラウドファースト”の意味

2014年3月25日(火)

世界同時発表から2年、垂直統合型マシンとしてIBM PureApplication System を含む PureSystemsの認知度は着実に上がってきた。一方、その根幹にあるメリットについてはあまり知られていない。垂直統合ならぬ、プライベートクラウド・マシンとしての用途である。「クラウドファースト時代をリードできるのがPureApplication Systemだ」と、日本IBMの三戸篤氏(ソフトウェア事業WebSphere事業部長)は言い切る。それは一体、どういうことなのか。三戸氏に詳細を聞く(聞き手はIT Leaders発行人 田口 潤、文中敬称略)。

IBM PureSystems

“使いたい時に使いたいだけ使えるシステム”を実現

三戸:強調しておきたいのは、“使いたい時に使いたいだけ使えるシステム”を実現するテクノロジーとしてパターンを提供しているのであって、それでユーザーをロックインするとか、中身まで固めてしまっているわけではないということです。そういうメッセージをあまり伝えられていなかったのも、我々が改めて課題認識するべきなのかも知れません。

インプレスビジネスメディア
IT Leaders 発行人
田口 潤

田口:でもそうだとすると、今度は逆にPureApplication Systemの優位性が弱くなりませんか。PureApplication Systemでなくても、クラウドOSを搭載した普通のサーバーでいいといった具合に。

三戸:その点は技術蓄積の勝負になりますし、パターンのバリエーションを増やし、垂直統合の利点を活かして常にリードし続けていくことが鍵になります。実を言えば、そもそもパターンの発想はPureApplication System で初めて提唱したわけではなく、2009年に発表したWebSphere CloudBurst Appliance」で実装しているのですよ。迅速な環境構築を容易に実現するために必要となるソフトウェアとその構成情報をパターンとして展開するために作られたアプライアンス機です。時代に先駆けたそうしたテクノロジーは当社のクラウド・ソリューションに脈々と受け継がれているのです。

田口:ユーザー企業が自分ですべてをやるか、ある程度はIBMに任せるかの違いとも言えますね。

三戸:おっしゃる通り、何に重点を置いてIT投資するのかが決め手になります。一般的なサーバーを使ってプライベートクラウドを構築・運用するには、相当ハイレベルの技術・ノウハウ、そのための人的リソースが必要になります。それをどう考えるか、例えばエキスパートの知見を生かして効率化・省力化したいのであれば、PureApplication Systemに分があります。さらにプライベートクラウド単体で考えるのではなく、いわゆるBYOH((bring-your-own-H/W)やパブリッククラウドと合わせたトータルなクラウド活用を考えるとIBMのソリューションが自ずと強みを発揮できます。

田口:ここで整理したいんですが、IBMは今年、クラウドを最優先に考える「クラウドファーストを推進する」と発表しました。その中でPureApplication Systemはどう位置づけられるんでしょう。

三戸:今年初めにクラウドファーストを具現化するポートフォリオを整理して発表しました(図1)。大きく3つありまして、1つ目はBYOHによる自前のクラウド、例えば既存のサーバーに仮想化ソフトを搭載したIT基盤です。2つ目が「Cloud in a box」と呼んでいますが、これがミドルウェアまでを統合したPureApplication Systemです。そして3つ目はIBMのパブリッククラウド=昨年買収した米SoftLayerのクラウドサービスです。これらを連携させ、管理するソリューションとして 「SmarterCloud Orchestrator」もあります。パターンを使って、どのクラウド基盤でもアプリケーションをデプロイ・管理できるようにするものです。

図1 IBM Cloud ポートフォリオ
IBM PureSystems

 

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