[市場動向]

写真で見るシリコンバレーの”生態系”、FacebookやGoogle、スタンフォード大学、VCまで

2014年4月28日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

すでに報告した「Red Hat Summit2014」に参加した4月中旬、空いた半日を使ってシリコンバレーに出かけました。ガイドはIT Leadersの読者にとってはお馴染み「シリコンバレー最前線」の筆者、山谷正己 氏(JustResearch代表)です。山谷氏の案内で主にIT企業の社屋を見学しました。「社屋見学?なんだそれ?」と思われるかも知れませんが、各社のオフィスを見たり、そこから把握できるシリコンバレーの生態系を知ったりすると、実に興味深いものがあります。その空気感を優先し、北から南に下る形で、主に写真でレポートしますので、しばしお付き合い下さい。

 大学、VC、IT企業、そして今回は見られませんでしたが、ベンチャー育成のインキュベータであるY Combinatorや500 Startupsが相まって、生態系(エコシステム)を構成しているわけですね。

 ちなみに 近隣の住宅街には「シリコンバレー生誕の地」があります。写真左の奥に見えるガレージが、HP創業の地です(写真6)。コンピュータミュージアムも近くにあります。新しいことに取り組みながらも、歴史を大事にしているところが素晴らしいです。

写真6:シリコンバレー生誕の地とされる米HPが創業したガレージ(左奥)と、コンピュータミュージアム内で見つけた米Crayのスーパーコンピュータ

 ところで、現在のHPは当然、広大なオフィスを有しています。ほかにもXerox PARCや、VMware、SAP、IBM、Microsoftなど、そうそうたるIT企業が開発拠点を構えています。電気自動車で知られるTesla Motorsの本社もあります(写真7)。

写真7:シリコンバレーに開発拠点を置くIT関連企業の例

 世界最大の小売業であるWalMartも、Webシステムの開発拠点をシリコンバレーに置いています。「次世代の画期的なソフトを開発するには有能なエンジニアが欠かせない。有能なエンジニアを獲得するにはシリコンバレーに拠点を置くしかない」(山谷氏)。こんな状況が背景にあり、ますます企業やお金、人を集めているわけです。

 そしてGoogleです(写真8)。黒いガラスに白文字でシャープな印象のビルですが、実はここも、元はSilicon Graphics(SGI、2009年4月に破産法11条を申請し、Rackable Systemsが買収)のオフィスです。シリコンバレーには、オフィスを建て替えるのではなく、改修はするにせよ、そのまま使う合理的な考え方があるようです。Facebookのオフィスもそうですが、文字通りの栄枯盛衰を感じました。

写真8:米Googleの本社ビル。元はSilicon Graphicsの本社

 Googleの玄関前らしきところにいると16時時頃には大型バスが入れ替わり立ち替わり発着。平日だし観光客にしては変だなと思っていたら、「社員の送迎バス」(山谷氏)とのこと(写真9)。最近のエンジニアは、余暇のないシリコンバレーではなく、サンフランシスコ市内に住みたがるので、優秀なエンジニアを囲い込むために、各社が送迎バスを運行しているそうです。車内にはWi-Fiが装備され、送迎中も黙々とキーボードに向かっているとのことです。

写真9:Googleの送迎バス(左)とオフィス間を移動するためのグーグルカラーに塗られた自転車

 バスで出社した社員用には、あちこちに点在するオフィス間の移動のための自転車が用意されていました。カラーリングはGoogleのロゴと同じで、社員なら乗り捨て可だそうです。この自転車なら、明らかにグーグル社員だと分かるのが利点かも知れません。

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