IT市場調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は2014年7月23日、ゲートウェイセキュリティ製品を提供する国内ベンダー42社への調査を基にした市場調査レポート「ITR Market View:ゲートウェイ・セキュリティ市場2014」を発行し、その概要を発表した。
同レポートの対象市場・分野は、ファイアウォール/UTM(Unified Treat Management:統合脅威管理)、IDS/IPS(Intrusion Detection System/Intrusion Prevention System:不正侵入検知システム/不正侵入防御システム)、WAF(Web Application Firewall)など7分野。国内のベンダー42社に調査を行い、それに基づいて市場動向と分析結果をまとめている。
同レポートでは、国内DDoS(分散サービス拒否攻撃)対策製品市場の2013年度の売上金額は12億4,000万円、前年度比24.0%増の大きな伸びを示している。DDoS攻撃は、ネットワーク上のトラフィックを増大させて、通信を処理している回線やネットワーク機器、およびサーバのリソース(処理能力)を占有することによってサービスの提供を妨害するもの。「DDoS攻撃は現在、世界的に増加傾向にあり、企業や政府機関、通信事業者にとって深刻な脅威と認識されつつある。国内における市場の大きな伸びは、主なユーザーである通信事業者が積極的な投資を行ったことが背景にある」(ITR)
ITRによれば、2013年度よりDDoS対策製品市場に参入するベンダーが増えており、2014年度は同66.1%の大幅な伸びを見込む。「比較的新しい分野であることもあり、DDoS対策市場の2013年度から2018年度までの年平均成長率(CAGR)は33.2%と、ゲートウェイ・セキュリティ市場の7分野の中で最も高い成長率を予測している」(同社)
ITRのが示す、同レポートの主なトピックは以下のとおり。
●ファイアウォール/UTM市場では、2013年度に12.7%増の大きな伸び、2014年度も好調を維持する見込み
●IDS/IPS市場では、2013年度はセキュアソフトがトップシェアを維持、2番手マカフィーが高成長で追随
●WAF市場は、2013年度に26.4%増と大幅な伸び、2014年度も同等の伸びを予測
●URLフィルタリング市場では、パッケージからSaaSへのシフトが進行し、2013年度の市場はほぼ横ばいで推移
●Webゲートウェイ・セキュリティ市場では、SaaSが2013年度、2014年度ともに2ケタ成長と好調、パッケージとアプライアンス市場は微増
●サンドボックス型ゲートウェイ・セキュリティ市場では、上位ベンダーの好調により、2013年度の市場は2.3倍へ急拡大
●DDoS対策市場では、DDoS攻撃の増加に伴い2013年度の市場は24.0%増と大幅な伸び、参入ベンダーの増加により2014年度も66.1%増を予測
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