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エンタープライズアプリケーションを創造的に破壊せよ──”Google超え”を目指す次世代ERPのインパクト

2014年9月2日(火)

文字通りの「創造的破壊(Disruption)」であり、「ERPのイノベーション」である――そう呼ぶに値する斬新なERPパッケージを、ワークスアプリケーションズが開発中だ。牧野正幸CEOは「エンタープライズアプリケーション(企業向けアプリケーション)のユーザービリティを、コンシューマアプリケーション(一般消費者向けアプリケーション)と同等以上に高める。そのためにRDBから脱却し、クラウドネイティブの技術を採用した」と語る。そこにはエンタープライズアプリケーションに対する強い問題意識と、技術への確信がある。牧野CEOに詳細を聞いた。ぜひお読み頂きたい。(聞き手はIT Leaders発行人の田口潤)

KVSで創る“次元が違う”エンタープライズアプリケーション
構造化/非構造化を問わずデータを処理

─それは構造化データも非構造化データも、同様に扱えるようにするということですか?

牧野 当然です。コンシューマアプリケーションと同じく、すべての情報を扱います。内部ではもちろん分けて管理しますが、利用者は意識する必要がありません。セキュリティ上の制限を除けば、顧客名を入れたら関連する情報が全部、適切な順に出てきます。人事や会計システムが管理する情報も含めてです。

聞き手はIT Leaders発行人の田口潤

─エンタープライズアプリケーションでその考え方は実に興味深いです。

 しかし一方で、エンタープライズアプリケーションには処理の確実性が求められますよね?同時にデータ更新を行うと生じる矛盾を防ぐ排他制御や、処理が途中で失敗した場合に元に戻すロールバックなど、専門用語で”ACID特性”と呼ばれるものが必要です。RDBはそれを満足しますが、KVSなどNoSQLは対応しません。
 

牧野 それを言えば、世界最大級のデータをハンドリングしているGoogleもアマゾンも同じです。データを書き込んだか書き込んでないかはNoSQLでも記録していますし、後で整合すれば問題はありません。それに周辺ツールが整ってきて、NoSQLでもデータの整合性や耐障害性、セキュリティを守れるようになっています。このあたりのオープンソースソフトウェア(OSS)の進化と充実ぶりはすごいですよ。

 ただし「入金と支払いが同時に発生する銀行のオンライン処理は」と言われたら、それに適さないのは確かです。お金が引き出されてしまえば、取り返しがつきませんからね。でも一般の企業では銀行のように厳密なトランザクション処理は不要です。受注と支払いのタイムラグが、0.1秒以下でなければならない理由は存在しないんです。その点、今のRDBはオーバークオリティだと言えます。

─なるほど。技術的にも現実的にも、業務処理にKVSを使うことに問題はないと。それにしても、いつ頃、どんなきっかけでその新製品を構想したんですか?

牧野 90年代以前のコンシューマアプリケーションはエンタープライズアプリケーションのお下がりでした。ですから、メニューも設定も使いにくかったですよね?GUI(グラフィカルユーザインタフェース)が登場して、マウス操作ができるようになって多少は改善しましたけど。

 今はどうかというと、完全に逆転しました。クラウドサービスだけではなく、Excelなどもセルのオートフィル機能があり、大幅に使いやすくなっています。スマートフォンのアプリには私自身、感動を覚えるものさえあります。もちろんコンシューマアプリケーションは用途が明快だし、機能も絞り込まれています。一方でエンタープライズアプリケーションは機能満載なので、それが使い勝手に影響している面はあります。

コンシューマアプリケーションに感動、その使い勝手を
エンタープライズアプリケーションに取り込む

牧野 でも問題はそこではない。問題なのは、エンタープライズアプリケーションには“感動がない”ということ。確かに経営者やシステムの導入推進者は、機能は増えるしコストも下がるしで、喜んでくれています。

 一方で利用者はどうかというと、システムの導入で逆にストレスが溜まってしまっている。実際には慣れもあるし、データをExcelに展開するなど様々な工夫を凝らしているので、それほどでもないかも知れません。だからといって、それでいいはずがない。それにコンシューマアプリケーションにおいては、たとえば検索に数秒かかるなんてことはあり得ない。コンシューマアプリケーションでは「速い、レスポンスがよい」というのは当たり前の考え方なのに対して、エンタープライズアプリケーションではレスポンスは二の次なんです。

 そして何よりもエンタープライズアプリケーションを開発する会社のトップが、コンシューマアプリケーションの使いやすさに感動するなんてまずいでしょう。今から3年ほど前にこの問題に気づき、このままではいけないと、新製品の開発に着手しました。

─とても面白いです。「COMPANY」を機能強化するだけでは対処できない理由もよく分かります。でも新製品の開発は大変だと思いますが、どうですか。

牧野 ものすごく難しいです。RDBならノウハウがあるし、技術者がいて、メーカーのサポートも得られます。しかしKVSや周辺のツールは全てOSSなので、自分たちで情報を集めて組み合わせたり、あるいは新規に作ってテストしたりしなければなりません。開発パワーは何倍もかかります。品質も、誰も保証してくれないので、我々が保証しなければいけません。

 幸い、我々は受託開発企業ではなく、パッケージ製品ベンダーなのでそこに投資ができます。それにほかのERPベンダーと同様、業務機能の面では我々もある程度行き着くところまで来ていますから、その点でも有利です。実際、ベースとなるDB回りの技術はすでに完成しています。

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