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増加していくシステムランドスケープにどう対応するのか──クラウド時代に求められるSAPシステム基盤の最新化とシンプル化

2014年9月30日(火)

システム乱立による運用の複雑化やコストの増大といった企業が抱える問題からいかに脱却し、真にビジネスに貢献できる攻めのITを実現していくか――。富士通・ネットアップ・SAPジャパンの3社が一堂に会し、次世代ERPとなるSAP Business Suite powered by SAP HANAへの移行、IT運用の自動化を目指したSimplificationなどをテーマに、それぞれの立場から今後のSAPシステム基盤のあり方について語った。また、SAPシステム基盤の最新化にいち早く取り組んできた日本発条(ニッパツ)が、そのプロジェクト成功のポイントとこれからのロードマップを示した。本稿では、2014年7月30日に開催されたセミナーの内容をレポートする。

将来のグローバルインスタンス対応を見据え
ユニコード変換とEhP適用を推進

 基調講演では、日本発条株式会社 企画管理本部情報システム部の主管である鈴木孝司氏が登壇。「日本発条が考える基幹システムのロードマップ」と題する事例発表が行われた。

日本発条株の鈴木孝司氏

 一般に「ニッパツ」の愛称で知られ、自動車の懸架ばねやHDDのサスペンションなどの分野で世界トップクラスのシェアを誇る同社は、サーバの保守切れが迫るなかでSAPシステムの最新化を目指してシステム基盤を刷新するとともに、将来のグローバルインスタンスへの対応を見据えたユニコード変換ならびにSAPエンハンスメントパッケージ(EhP)の適用を推進している。

 一連のプロジェクトをベンダーとして支えたのは富士通だ。「DR(災害対策)を考慮したデータセンターを所有していること、ユニコード変換やEhP適用の経験を持った専門部隊が控えていること、さらにはVMwareとネットアップストレージの組み合わせによる仮想環境構築をベースにした未来志向、SAP HANAやSAP LVMを含めたSAP最新ソリューションの提案力などを総合的に評価し、富士通をパートナーに選定しました」と鈴木氏。なお、ユニコード改修に関しては、「SAP Enterprise Supportを最大限に活用しました」と言う。

 結果として同社の基幹システムの最新化プロジェクトは、全体スケジュールに影響を与えるような大きなトラブルを起こすことなく、当初の目標としていた189時間よりも短期間の165時間で新システムへの移行を完了することができた。

 成功に至った秘訣として鈴木氏は、「よきパートナーとの出会い」「ツール(SAP Solution Manager)とサービス(SAP Enterprise Support)の有効活用」「標準機能への転換によるSimplificationの実現」という3つのポイントを挙げる。

 もちろん、この成果をもって同社の歩みが止まるわけではない。2020年を見据えたICTの新たなロードマップを描き、新技術の動向を注視しながら軌道修正を行っていく方針だ。「今後のSimplification革命をリードしていく“人財”を育てるとともに、グローバルな情報システム統制(統合)を実現するため、ビジネス特性や地域性を考慮しながら事業・グループを俯瞰できるシステムを目指します」と鈴木氏は語った。

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