ITで新しい事業やサービスを生み出すことを期待されている(と考えている)。しかし、それができるIT人材は存在せず、組織的な体制もない−−。情報処理推進機構(IPA)が公開した『IT人材白書2015』は、企業の情報システム部門が直面するこんな課題を明らかにした。
『IT人材白書2015』は、IT人材の質と量の両面における過不足の状況や、企業における人材育成の取り組み、個々のIT人材の終業満足度などを、IT企業と、ユーザー企業、教育機関、個人などを対象に調査し分析したもの。総ページ数358ページに及ぶ膨大な内容だ。ここではユーザー企業の情報システム部門への調査結果の一部を紹介しよう。なお全文は、IPAのサイトからダウンロードできるので、ぜひ読んで見て欲しい。
まず情報システム部門は現在、どんな業務を担っているのか?企業におけるIT関連業務のうち、情報システム部門が担うのは「全社ITの企画」で87.1%と高い(図1)。これに「情報セキュリティリスク管理」(83.0%)、「社内システムの運用管理」(72.4%)と続く。
図1:ITに関する業務の担当部門拡大画像表示
逆にIT部門が担うケースが少ないのは「社外向けWebシステムの構築運用」で32.7%でしかない。「社内業務プロセス設計」(43.4%)、「データ分析などの高度化による情報活用」(46.3%)も半数以下だった。当然と言える結果だが、ITと経営が一体化し、Webサイトやビッグデータ分析の重要性が叫ばれる中では、やや寂しい状況であることを示している。
情報システム部門に期待されている役割についてはどうか?やや複雑だが図2を見ていただきたい。絶対値では「業務・システムの全体最適化」や「業務の合理化・省力化等への寄与」など、図1の結果から明らかな通り、従来から当然とされてきた役割が依然として高い。
図2:IT部門に期待されている役割拡大画像表示
だが現状と今後の差を示すDIの大きさではまったく違った項目が上位になる。「新たな事業やサービスを生み出すための事業部門との協業や支援」、「業務プロセスの改革」、「現行ビジネスの拡大・拡充のための新たな販路や顧客開拓を支援」などである。
この調査は情報システム部門に聞いているので経営層や事業部門が実際にどう考えているかは別である。しかし自らは、まとめて言えば「攻めのIT」へのシフトを期待されていると考えているわけだ。見方にもよるが、この点は頼もしいと言っていいだろう。
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